トンデモ話は奥で繋がる(160) 24.6.3

トンデモ話は奥で繋がる 「第160夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。

≪復活と再臨 ①≫
 
 ★ 遠藤周作氏へのメッセージ

 ここで『シュタイナーコレクション5(イエスを語る)』に添えられ
た高橋氏の解説は、当然のことのように『キリスト衝動』の節から
『復活』の節へと移っています。

 確かに、史実(とされている)の順序としては、ゴルゴダの秘跡の
後に『復活』があるのですが、これが『地球滅亡に際しての、我
々の行く末』
に直接結びつくと思える方は少ないでしょう。

 さて、高橋氏の話の続きに入ってゆく前に、一般人として『復活』
を考えてみましょう。

 現代では、よほど厳密な聖書の信奉者でない限り、キリストが
文字通り『墓から蘇生した』と考える人は少なく
、キリスト教徒
でさえ、その大半はお茶を濁したような解釈に留まっています。

 小生も、出だしの第四夜でお話ししたとおり、さすがにイエスの
肉体そのものが甦った
とは考えていませんが、弟子達は、かな
はっきりした霊体を見たのではないかと思っています。

 しかし数々の福音書には、はっきりと『復活した』と書かれており、
故に、あまたのキリスト教義者達が、万人を納得させる解釈を求
めてさまざまな書物を著しています。

 さて、そんな努力を続けてきた方の一人に『沈黙』を初め、一般
のキリスト教徒とは違った視点からイエスを捉えようとした作家、
遠藤周作氏がいます。

縮遠藤  氏はその著『イエスの生涯』の中で、
イエスの様々な奇蹟を、弟子達の人
間心理の面
から捉え直し、その中で、
我々が許容できるギリギリの奇蹟を描
きました。

 彼は、そうすることで『奇蹟』の物理
的な真偽
を徒に論じて、空虚な解釈
争いをする
事無く、その精神をその
まま受け入れよう
ではないかと呼び
かけました。

 小生は、遠藤氏については、既存の歪められたキリスト教に
捉われず、キリスト自身の伝えようとした精神のよき理解者
であると思っています。

 とりわけ遠藤氏が、キリストの教えの中に―それ故他のキリス
ト文学者からは白眼視されることになる―
仏教的な『慈悲の
心』
を見出していたことは、まさに慧眼であったと、第158夜をお
読みいただいた方には納得いただけることと思います。

 恐らくその点の認識では、『ルカ福音書講義~仏陀とキリスト
教』
の訳者西川氏も同じ思いであると思いますが、敢えて同書の
の『あとがき』に次のように記しています。

 「 《イエスの生涯》(1973年)の中で遠藤周作氏は、

  『 我々が、手にしている聖書は、必ずしも
   イエスの生涯を事実どおりに追っているわ
   けではない。

    …聖書に書かれたイエスの生涯は確かに
   一貫した真実を持っているが、一つひとつ
   の事実という点では、必ずしも正確に書か
   れていないのである
。』

  と述べているが、そうではなく、福音書には事実
  =真実が述べられている
のである。

   だから、シュタイナーはキリスト教を『神秘的
  真実』
とは言わず、『神秘的事実』と言ったので
  あった。」

  (ルドルフ・シュタイナー『ルカ福音書講義~仏陀とキリスト教』
 p247《イザラ書房(西川隆範 あとがき)》より抜粋転載)
 

 恐らく西川氏は、あとがきでこれを書かずにはおられなかっ
のでしょう。何故なら遠藤氏の解釈は、まさにこの書で西川氏
が訳出してきたことの、重要な一面を捉えていたからでしょう。

 つまり、数々の秘跡に対する遠藤氏の精神的な解釈は、イエス
に先行して降臨した仏陀が、我々に叡智として授けたものとし
ては、極めて的を射たもの
なのです。

 しかし、キリストはそれを肉体的に体現して見せたのであり、
それ故、肉体的に書かれたことは全て事実としてみるべきで、
その中の重要なものの一つとして『復活』があるということです。 

 ★ 古代ギリシア人の肉体愛

 さて、それではシュタイナーの説く『復活』の事実とは、一体ど
んな現象なのでしょうか。再び『シュタイナーコレクション5(イエス
を語る)』の高橋氏の解説に戻ります。
 
 始めに氏は、肉体を離れた状態で見霊能力を得ていた、古代
ギリシア人
の『肉体へのこだわり』をこのように説明しています。

 「 シュタイナーが言うには、ギリシア=ラテン期の
  人々は、『健全な精神は健全な肉体は宿る』という
  原則を当然のように受け容れていました。
 (…中略…)

   この世と深い関わりを持つための道具としての肉
  体を大切にし、その肉体を完全なものにすることに
  生きがいを感じていました。
 (…中略…)

   死とともに、自分達の分化の拠り所である肉体が
  滅びてしまうことに、何にも代えがたい悲しみと憤
  りを感じていました。

   これほど自分達が大切にしている肉体も、死によ
  って滅びてしまうのか。

   この美しい、これほど愛している肉体が滅びてし
  まうのだったら、たとえ魂が残ったとしても、そこ
  にどんな喜びがあるだろうか。


   だから死んで冥界の王になるよりは、まだこの世
  に残って乞食でいたい、そう思ったのです。」

 (ルドルフ・シュタイナー『シュタイナーコレクション5(イエスを語る)』
 pp398-399《筑摩書房(高橋巌 解説)》より抜粋転載)


 彼らは、我々と違って霊界を比較的身近に体験できたのです
が、それよりも―もしかするとそれ故に―肉体というもう一つの
世界の方が素晴らしい
と感じていたのです。

 こうした思いは古代ローマ時代でも同じでした。いや現代人にとっ
ても、この不完全に見える現世の方が、霊界よりは魅力的である
からこそ、転生を繰り返すのです。
   
 一部のスピリチュアリズム信奉者の中には、霊界の方がより高
次元で、理想的な世界である
ように考えている方もありますが、
双方を知った先人達は、迷わず現世を選んでいたのです。

 ★ 科学的復活論

 さて、こうした思いを持つ古代ローマ人の思に対して、パウロ
自らの宣教の中で『復活こそ、それに対する答えである』と説
いている、と高橋氏は述べています。

 「 それに対して、そうではない、君達が大事にして
  いる肉体は死とともに滅びはしない。肉体は復活
  すると、パウロは説いたのです。

   有名なキリストの復活について、パウロは『コリ
  ントの信徒への手紙1』の中ではっきりと述べて
  います。

   《 キリストが復活しなかったのなら、私達
    の宣教も、あなた方の信仰も空しい 》

   肉体の復活が信じられないのだったら、一切の
  キリスト教は空しい、というパウロの立場から、シ
  ュタイナーのキリスト理解は始まっています。
 (…中略…)

   それでは、もし肉体が死んで、再び復活するこ
  とが可能であるとしたら、それをどう理解したらよ
  いのでしょうか。

   ただ《そういう信仰がある》と言うのならともかく、
  
信者でない人達にも、それを納得させる道はある
  のでしょうか。」

 (ルドルフ・シュタイナー『シュタイナーコレクション5(イエスを語る)』
 pp399-400《筑摩書房(高橋巌 解説)》より抜粋転載)


 《復活は事実である》と断言することは、まさに、遠藤周作氏が
《キリストの精神》を伝えたいがために、あえて、理解の得られ
る《真実》に置き換えた
難問です。

 一方、シュタイナーはそれを《信仰》としてしまわずに、事実として
伝える道
を選びました。

 しかし、だからといって近代科学の見方を全く無視したわけでは
無く
、まだ我々に知られていない科学的事実として説明する道をと
っているのだと、高橋氏は次のように続けています。

 「 シュタイナーは、復活の思想は、近代思想の対極
  にある
ので、近代思想からは、復活を絶対に認める
  ことが出来ないと言っています。

   近代思想から言えば、肉体は物質から成立ってお
  り、その物質は死によって崩壊するのです。崩壊し
  た後、崩壊してしまった肉体がまた復活する可能性
  は、科学的にはありえません


   しかし、その復活が肯定できなければ、パウロが
  言ったように、キリスト教は全て空しいということ
  になりかねません。

   自然科学的な立場から復活論が肯定できる立場
  
がとれれば、キリスト教は現代にも生きられます。
   もしその立場がとれなければキリスト教空しいの
  です。

   シュタイナーは、そういう所まで自分を追い詰め
  ていって、改めて現代人にとっても理解可能な復活
  論
を唱えようとしたのです。」
   
 (ルドルフ・シュタイナー『シュタイナーコレクション5(イエスを語る)』
 pp400-401《筑摩書房(高橋巌 解説)》より抜粋転載)


 次回第161夜では、その解釈についてお話しします。

( 追伸 )

 中曽根君、君だけは復活を遠慮して
くれたまえ。

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