2011.12.03
トンデモ話は奥で繋がる(135) 23.12.3
トンデモ話は奥で繋がる 「第135夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。
≪輪廻転生 ⑤≫
★ 四大霊登場
前夜で、我々の記憶力は消え去ってゆくと述べましたが、記憶内容そのもの
については、別の形で我々に迫って来るとシュタイナーは言います。
まずは、 《怪しげな》彼自身の言葉を抜粋してみます。
「 死後にこの力が目覚め、成長することによって、この世に居た
時は『影絵』のようなものでしか無かった思考内容の背後に、
本来、生命存在が潜んでいること、思想世界の中に生命の営
みが存在していることがわかるのです。
肉体を通して体験する思考内容のタブローは影絵に過ぎませ
んでしたが、それは本当は四大霊の集まりであり、拡がりであっ
たのです。
言わば私達の生前の思い出が消えてゆくと、その代わりに普
遍的な叡智の宇宙から、無数の四大霊が目覚めるのです。
(…中略…)
私達が肉体から離れますと、この記憶内容の全ては生き物と
なって現れ、そこに生存するようになるのです。どの思考内容も
生きた四大霊なのです。
今、私達は悟ります。
―『 生前お前は思考を働かせ、思考内容をお前の中に生じさ
せた。しかし、お前がそのようにして妄想に耽り、思考内容
を作り出していた時、お前はひたすら四大霊を生み出して
いたのだ。
それは、全宇宙に対して、お前が付加した新しい何かなの
だ。お前によって霊の中へ産み落とされたものが、今ここに、
こうして存在している。それはお前の思考内容の真実の姿な
のだ。』
私達はまず、四大霊とは何かを、はっきり認識しなくてはなりま
せん。何故なら私達は、自分で産み出した四大霊を、死後初めて
知るようになるからです。
私達が思い出のタブローを持つのは、死後の最初に与えられる
重要な印象です。しかし、このダブローは生き始めます。本当に
生き始めるのです。
そして全てが四大霊に変身するのです。今それは本当の顔を見
せます。それは消え、そして全く別なものに変わるのです。」
(ルドルフ・シュタイナー『シュタイナーの死者の書』pp176-178
《ちくま文芸文庫(高橋巌訳)》より抜粋転載)
これが、一発ですんなり理解できる方は、相当イカレた方でしょう。善意の解説
者であるコリン・ウィルソンも、前書『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョ
ン』では一言も触れていません。
西平直氏ですら、『シュタイナー入門』の中で、この全過程を述べているにもか
かわらず、敢えて四大霊の存在についてはカットしています。ここでこれを書い
てしまうと、折角『入門』しようとした者がソッポを向いてしまう恐れがあるとの
配慮からでしょうか。
それ程、この記述にいたっては相当《異様な》―まさにオカルトの面目躍如(?)
というべき印象を与えます。かく言う小生も、理解どころか、未だに《本当の意味》
でイメージできているのかどうかわかりません。
★ 四大霊とは
いきなり『四大霊とは何かを、はっきり認識しなくてはなりません。』と彼は言
いますが、それが一体何(者?)なのかも、この章では説明していません。 そこで、
『日本人智学協会』のホームページで、高橋巌氏が解説しているものを要約して
みます。
四大霊とは、自然界の四つの要素―火・風・水・地の性質を持つ四つの聖霊、
一般に妖精と呼ばれる存在です。現代でも『見える』人もいるようですが、古代の
人類は、努力しなくても見ることができたとされています。
火の精はサラマンダーと呼ばれ、その多くが、死後『アストラル界』の『動物の
集合魂』に戻れなかった動物の魂だと言います。不完全ながら我々と同じ自我
を得ており、自然の知恵を身につけた賢い存在であるようです。
彼等は、人間界と動物界の中間に存在し、人間と動物の間に生まれる感情
を養分にしているといいます。特に普段から動物と接する機会の多い人達、例え
ば羊飼いや、競馬の騎手等と、その動物達との間に関わってきます。
風の精はシルフと呼ばれ、動物界と植物界の中間に存在し、鳥や昆虫による
植物の受粉や、植物に光を運んだりしています。彼等は鳥達が起こす空気の振
動や羽音、光の中に自らの存在場所を持っています。
彼等は自身の自我を持ちませんが、鳥達のように、自らの中を行き来する命
の活動によって、自分自身を受動的に感じるのだと言います。
水の精はウンディーネと呼ばれ、水を介して植物界と岩石が接する場所に
存在し、植物の生長に重要な役割をします。彼等は、夢見るエーテル体となっ
て夢想の空間を作り、植物はその中へと枝葉を伸ばしていくのだと言います。
また、我々が『紅葉が綺麗だ』とか、『木立ちのざわめきが心地よい』という
『感受性』を働かすと、彼等は実際に樹木の中に入り込んで、『木の葉の赤さ』
や『木立の音』を感じることができるといいます。
地の精はグノームと呼ばれ、岩石と普通の金属が接する場所、すなわち鉱
山の地底などに存在します。彼等は人間よりすぐれた直観的理解力の塊で、人
間を自分より劣ったものと認識し、からかいの対象としたりします。
また、大地は彼等を両生類の姿に変える危険性を持っているとされ、そのため
地上的なものを憎んでいます。そのため、大地に慣れるということを非常に嫌
い、超地上的な理念―大宇宙的な理念に没頭しているといいます。
と、ここまで要約したのはよいのですが、深く考えてしまうと、ますますわけが
解らなくなりそうです。特に『グノーム』が、地上に出ると『両生類』に変化すると
かについては、全く唐突のような気がします。
ところで、高橋氏は最後にこのように書いています。
「 さて、簡単に四大霊についてご説明してきましたが、ま、ここらへ
んは『番外編』ですから、ファンタジックに想像の翼を自由に羽ばた
かせてみてはいかがでしょうか。」
つまり、これら四大霊については、その1つひとつの正体を詳しく知ることよりも
『我々が地上で体験する現象の全ては、そのような性質を持つ何者かが
関わることによって生起しているのだ』と考えておけばよいのだと思います。
(ところでグノームについては、第五十六夜でお話しした、アトランティス末
期に、制御不可能なマカバを作り出した際に地上に引っ張り出された、2
次元的存在と同一のような気がします。)
★ 我々の『意志』を伝えるもの
コリン・ウィルソンも西平氏も、恐らく広くシュタイナーを紹介するという自分の
使命上、全く前知識の無い読者も居ることを考えると、四大霊の存在については、
深入りしない方がよいと判断したのでしょう。
その点、小生のプログに付き合っていただける方については、もう少し踏み込ん
だ態度で語るべきかと思います。蛇足、或いは全く脱線する危険性も覚悟の上で、
少々考察を加えてみようと思います。
まず、シュタイナーの説明の第一段階として、
《全ての生命の営みにおいて、通常は見ることの出来ない何らかの
存在が、我々の『意志』を感じ取って、それを形にしている》
という点から入ってゆきましょう。
これについては、比較的考えやすいのではないかと思います。例えば花壇の植
物や庭木について、特別の愛情を持って育てた場合と、そうでない場合とでは、
十中八、九、前者の方が立派に育つと思われます。
無論、世話の仕方が違っているという点もあるとは思いますが、少なくとも誰し
もが、《前者のように心掛けた方が育ちがよいだろう》と本能的に思う筈です。
そして、それが事実ならば、私達の『意志』が『植物』に伝わったことになります。
その場合、次の①、②の2つの考え方が成り立ちます。
① 『植物』が私達の『意志』を直接理解した。
② 私達の『意志』を感じ取った何者かが、『植物』の成長を助けた。
もし、①の立場を取るのであれば、『植物』にも『意志』を感じ取る能力がある
ことになりますが、『植物』を細かく調べても、そのような能力を持つ『器官』を科学
的に示すことはできないでしょう。
無論②についても、その何者かの行為を直接見ることはできません。しかし、少
なくとも、現に『植物』そのものにそうした『器官』が無い以上、『万有引力』を認め
るのと同じように、そうした仮説を立てる方が合理的では無いでしょうか。
それと同じことが、『動物』との間にも起こることがあります。例えば、飼い主の危
機を察知した動物達が、飼い主を助けるために、普段ではありえない、適切な
行動を取る例などは、我々の危機を示す『意志』が、動物に伝わった可能性があ
ります。
それどころか『人間』同士でも、久しい間柄の間では『以心伝心』のような現象
がしばしば現れますし、普段とは違った現象が『虫の知らせ』となって、知人の窮
地を感じ取ったりすることがあります。
シュタイナーは、こうした『伝達』のされ方の間に《見えない存在》が介在し、具
体的な《物質的変化》を起こしていると説いている訳です。
童話の世界では、こうした妖精について、例えば、貧しい靴屋が、自らの最後の
パンを、小鳥に分け与えたところ、小鳥は妖精の化身で、一夜にして全ての靴が
出来上がっていたというような、もっと物理的な結果として語られています。
日本では、安部清明らの陰陽師は式神という目に見えない存在を操り、さまざ
まな使役の任に当たらせたとされています。これらを『伝説』と片付けてしまうのは
手易い事ですが、全く根拠が無いとも言い切れません。
ましてや、呪詛等の黒魔術的な行為は、現代にも脈々と受け継がれています。
効果の程は当人しか知る由はありませんが、呪者の『意志』を受けて《見えない
存在》が、当人に代わって物理的な効果をもたらしているとも考えられます。
★ 『意志』の実体化
さらに話を第二段階に進めてみます。
《それら妖精的な存在そのものは、実は我々の『意志』そのものが、
実体化したものである》
というものです。さすがにここまで踏み込むと、一般的に受容できるものではない
かも知れません。
しかし、このブログでは既にそれに似たような話をして来ました。第五十三夜の
モントーク・プロジェクトで紹介したデルタTアンテナは、ダンカンの想念を物
質化することを可能にし、はては『怪物』まで産み出したとしています。
無論、そんなことはデタラメだと決め付けるのは簡単です。しかし、現実にも多く
の超能力者が物質化現象を実験的に成功させており、うちいくつの例は、科学
的な説明がつけられないままとなっているのも事実です。
そうであるならば、超能力者の『物質化能力』を高める装置が存在した可能性は
全く無ではありません。シュタイナーはそれを一歩進めて、ごく普通の一般人であ
っても、その『意志』の全ては、常に実体化していると言っている訳です。
さて、これを信じるかどうかは読者の選択にお任せしますが、シュタイナーは、
これが科学的な事実であり、3次元で起こることすべてが、我々の『想念』の
集結したものだと説いています。
そして、ここまで進めて来ると、もう一つのトンデモ話も人智学の中に吸い込ま
れてゆきます。第二十八夜以降で、度々お話しして来た、ロスチャイルドを始め
とする無国籍金融資本の世界支配の手法です。
シュタイナーの説に従えば、特定の人物が、我々の想念の大部分をコントロ
ールすることが出来れば、この3次元の出来事全てを、彼の意図するシナリオ
通りに創起することが出来ることになります。
そして、まさにそれを目論んで来たのが、『闇の勢力』です。彼等が『貨幣』と
『情報』の支配で創り上げてきたこの支配の構造は、それを《当然のこと》と思
い込む我々の『想念』の上に築かれたものです。
ロスチャイルド財閥に代表される無国籍金融資本は、列強の植民地主義政策
の下で、アフリカ、アジア諸国を次々とその経済支配下に組み込み、アメリカに
その集大成的な一国経済支配体制を作り出しました。
しかし、その根幹を成している連邦準備銀行の貨幣制度も、第三十九夜でお
話ししたとおり、本来何の根拠や権限も持たない寄生虫のような存在です。それ
を存在させているのは、それをおかしいと思わない我々の『想念』だけなので
す。
誤解を恐れずに言えば、かつて日本人が『大東亜共栄権』を掲げて彼等に
『NO』 を突きつけたことは、或る意味で、当然の反発的『想念』だったと言えま
す。戦後、それは見事に封じ込まれ、その全てが『悪』として思い込まされて
います。
第二次大戦中、我々がして来た事の中には、確かに帝国主義的で悪辣な行為
もあったかも知れませんが、それ以上の悪意を持つ連中に、一方的にひれ伏
すべきという『想念』など無用です。
一部のスピリチュアリズムの信奉者は、とかく、このような政治的是非論に
ついては、『悪い想念を持たない』として、無関心を決め付けていますが、
『悪い想念を野放しにしておく』のも『悪い想念』の一種ではないかと小生は
思います。
アメリカの、安全性を無視した大企業的農業だけを太らせるTPP加盟や、
国中に放射能を撒き散らす、被災地の瓦礫処理方策など、『悪い想念』に
は強く『NO』と言わなければ、それを『是』とした『想念』の世界が形成され
てしまうのです。
さて、次回第136夜は、その『想念』に出会った死者のその後の話へと
入ってゆきます。
( 追伸 )
中曽根君、君の『想念』が見えたら、
皆ゾッとしただろうにね。
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-弟子のクッテネルがお送りします。
≪輪廻転生 ⑤≫
★ 四大霊登場
前夜で、我々の記憶力は消え去ってゆくと述べましたが、記憶内容そのもの
については、別の形で我々に迫って来るとシュタイナーは言います。
まずは、 《怪しげな》彼自身の言葉を抜粋してみます。
「 死後にこの力が目覚め、成長することによって、この世に居た
時は『影絵』のようなものでしか無かった思考内容の背後に、
本来、生命存在が潜んでいること、思想世界の中に生命の営
みが存在していることがわかるのです。
肉体を通して体験する思考内容のタブローは影絵に過ぎませ
んでしたが、それは本当は四大霊の集まりであり、拡がりであっ
たのです。
言わば私達の生前の思い出が消えてゆくと、その代わりに普
遍的な叡智の宇宙から、無数の四大霊が目覚めるのです。
(…中略…)
私達が肉体から離れますと、この記憶内容の全ては生き物と
なって現れ、そこに生存するようになるのです。どの思考内容も
生きた四大霊なのです。
今、私達は悟ります。
―『 生前お前は思考を働かせ、思考内容をお前の中に生じさ
せた。しかし、お前がそのようにして妄想に耽り、思考内容
を作り出していた時、お前はひたすら四大霊を生み出して
いたのだ。
それは、全宇宙に対して、お前が付加した新しい何かなの
だ。お前によって霊の中へ産み落とされたものが、今ここに、
こうして存在している。それはお前の思考内容の真実の姿な
のだ。』
私達はまず、四大霊とは何かを、はっきり認識しなくてはなりま
せん。何故なら私達は、自分で産み出した四大霊を、死後初めて
知るようになるからです。
私達が思い出のタブローを持つのは、死後の最初に与えられる
重要な印象です。しかし、このダブローは生き始めます。本当に
生き始めるのです。
そして全てが四大霊に変身するのです。今それは本当の顔を見
せます。それは消え、そして全く別なものに変わるのです。」
(ルドルフ・シュタイナー『シュタイナーの死者の書』pp176-178
《ちくま文芸文庫(高橋巌訳)》より抜粋転載)
これが、一発ですんなり理解できる方は、相当イカレた方でしょう。善意の解説
者であるコリン・ウィルソンも、前書『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョ
ン』では一言も触れていません。
西平直氏ですら、『シュタイナー入門』の中で、この全過程を述べているにもか
かわらず、敢えて四大霊の存在についてはカットしています。ここでこれを書い
てしまうと、折角『入門』しようとした者がソッポを向いてしまう恐れがあるとの
配慮からでしょうか。
それ程、この記述にいたっては相当《異様な》―まさにオカルトの面目躍如(?)
というべき印象を与えます。かく言う小生も、理解どころか、未だに《本当の意味》
でイメージできているのかどうかわかりません。
★ 四大霊とは
いきなり『四大霊とは何かを、はっきり認識しなくてはなりません。』と彼は言
いますが、それが一体何(者?)なのかも、この章では説明していません。 そこで、
『日本人智学協会』のホームページで、高橋巌氏が解説しているものを要約して
みます。
四大霊とは、自然界の四つの要素―火・風・水・地の性質を持つ四つの聖霊、
一般に妖精と呼ばれる存在です。現代でも『見える』人もいるようですが、古代の
人類は、努力しなくても見ることができたとされています。
火の精はサラマンダーと呼ばれ、その多くが、死後『アストラル界』の『動物の
集合魂』に戻れなかった動物の魂だと言います。不完全ながら我々と同じ自我
を得ており、自然の知恵を身につけた賢い存在であるようです。
彼等は、人間界と動物界の中間に存在し、人間と動物の間に生まれる感情
を養分にしているといいます。特に普段から動物と接する機会の多い人達、例え
ば羊飼いや、競馬の騎手等と、その動物達との間に関わってきます。
風の精はシルフと呼ばれ、動物界と植物界の中間に存在し、鳥や昆虫による
植物の受粉や、植物に光を運んだりしています。彼等は鳥達が起こす空気の振
動や羽音、光の中に自らの存在場所を持っています。
彼等は自身の自我を持ちませんが、鳥達のように、自らの中を行き来する命
の活動によって、自分自身を受動的に感じるのだと言います。
水の精はウンディーネと呼ばれ、水を介して植物界と岩石が接する場所に
存在し、植物の生長に重要な役割をします。彼等は、夢見るエーテル体となっ
て夢想の空間を作り、植物はその中へと枝葉を伸ばしていくのだと言います。
また、我々が『紅葉が綺麗だ』とか、『木立ちのざわめきが心地よい』という
『感受性』を働かすと、彼等は実際に樹木の中に入り込んで、『木の葉の赤さ』
や『木立の音』を感じることができるといいます。
地の精はグノームと呼ばれ、岩石と普通の金属が接する場所、すなわち鉱
山の地底などに存在します。彼等は人間よりすぐれた直観的理解力の塊で、人
間を自分より劣ったものと認識し、からかいの対象としたりします。
また、大地は彼等を両生類の姿に変える危険性を持っているとされ、そのため
地上的なものを憎んでいます。そのため、大地に慣れるということを非常に嫌
い、超地上的な理念―大宇宙的な理念に没頭しているといいます。
と、ここまで要約したのはよいのですが、深く考えてしまうと、ますますわけが
解らなくなりそうです。特に『グノーム』が、地上に出ると『両生類』に変化すると
かについては、全く唐突のような気がします。
ところで、高橋氏は最後にこのように書いています。
「 さて、簡単に四大霊についてご説明してきましたが、ま、ここらへ
んは『番外編』ですから、ファンタジックに想像の翼を自由に羽ばた
かせてみてはいかがでしょうか。」
つまり、これら四大霊については、その1つひとつの正体を詳しく知ることよりも
『我々が地上で体験する現象の全ては、そのような性質を持つ何者かが
関わることによって生起しているのだ』と考えておけばよいのだと思います。
(ところでグノームについては、第五十六夜でお話しした、アトランティス末
期に、制御不可能なマカバを作り出した際に地上に引っ張り出された、2
次元的存在と同一のような気がします。)
★ 我々の『意志』を伝えるもの
コリン・ウィルソンも西平氏も、恐らく広くシュタイナーを紹介するという自分の
使命上、全く前知識の無い読者も居ることを考えると、四大霊の存在については、
深入りしない方がよいと判断したのでしょう。
その点、小生のプログに付き合っていただける方については、もう少し踏み込ん
だ態度で語るべきかと思います。蛇足、或いは全く脱線する危険性も覚悟の上で、
少々考察を加えてみようと思います。
まず、シュタイナーの説明の第一段階として、
《全ての生命の営みにおいて、通常は見ることの出来ない何らかの
存在が、我々の『意志』を感じ取って、それを形にしている》
という点から入ってゆきましょう。
これについては、比較的考えやすいのではないかと思います。例えば花壇の植
物や庭木について、特別の愛情を持って育てた場合と、そうでない場合とでは、
十中八、九、前者の方が立派に育つと思われます。
無論、世話の仕方が違っているという点もあるとは思いますが、少なくとも誰し
もが、《前者のように心掛けた方が育ちがよいだろう》と本能的に思う筈です。
そして、それが事実ならば、私達の『意志』が『植物』に伝わったことになります。
その場合、次の①、②の2つの考え方が成り立ちます。
① 『植物』が私達の『意志』を直接理解した。
② 私達の『意志』を感じ取った何者かが、『植物』の成長を助けた。
もし、①の立場を取るのであれば、『植物』にも『意志』を感じ取る能力がある
ことになりますが、『植物』を細かく調べても、そのような能力を持つ『器官』を科学
的に示すことはできないでしょう。
無論②についても、その何者かの行為を直接見ることはできません。しかし、少
なくとも、現に『植物』そのものにそうした『器官』が無い以上、『万有引力』を認め
るのと同じように、そうした仮説を立てる方が合理的では無いでしょうか。
それと同じことが、『動物』との間にも起こることがあります。例えば、飼い主の危
機を察知した動物達が、飼い主を助けるために、普段ではありえない、適切な
行動を取る例などは、我々の危機を示す『意志』が、動物に伝わった可能性があ
ります。
それどころか『人間』同士でも、久しい間柄の間では『以心伝心』のような現象
がしばしば現れますし、普段とは違った現象が『虫の知らせ』となって、知人の窮
地を感じ取ったりすることがあります。
シュタイナーは、こうした『伝達』のされ方の間に《見えない存在》が介在し、具
体的な《物質的変化》を起こしていると説いている訳です。
童話の世界では、こうした妖精について、例えば、貧しい靴屋が、自らの最後の
パンを、小鳥に分け与えたところ、小鳥は妖精の化身で、一夜にして全ての靴が
出来上がっていたというような、もっと物理的な結果として語られています。
日本では、安部清明らの陰陽師は式神という目に見えない存在を操り、さまざ
まな使役の任に当たらせたとされています。これらを『伝説』と片付けてしまうのは
手易い事ですが、全く根拠が無いとも言い切れません。
ましてや、呪詛等の黒魔術的な行為は、現代にも脈々と受け継がれています。
効果の程は当人しか知る由はありませんが、呪者の『意志』を受けて《見えない
存在》が、当人に代わって物理的な効果をもたらしているとも考えられます。
★ 『意志』の実体化
さらに話を第二段階に進めてみます。
《それら妖精的な存在そのものは、実は我々の『意志』そのものが、
実体化したものである》
というものです。さすがにここまで踏み込むと、一般的に受容できるものではない
かも知れません。
しかし、このブログでは既にそれに似たような話をして来ました。第五十三夜の
モントーク・プロジェクトで紹介したデルタTアンテナは、ダンカンの想念を物
質化することを可能にし、はては『怪物』まで産み出したとしています。
無論、そんなことはデタラメだと決め付けるのは簡単です。しかし、現実にも多く
の超能力者が物質化現象を実験的に成功させており、うちいくつの例は、科学
的な説明がつけられないままとなっているのも事実です。
そうであるならば、超能力者の『物質化能力』を高める装置が存在した可能性は
全く無ではありません。シュタイナーはそれを一歩進めて、ごく普通の一般人であ
っても、その『意志』の全ては、常に実体化していると言っている訳です。
さて、これを信じるかどうかは読者の選択にお任せしますが、シュタイナーは、
これが科学的な事実であり、3次元で起こることすべてが、我々の『想念』の
集結したものだと説いています。
そして、ここまで進めて来ると、もう一つのトンデモ話も人智学の中に吸い込ま
れてゆきます。第二十八夜以降で、度々お話しして来た、ロスチャイルドを始め
とする無国籍金融資本の世界支配の手法です。
シュタイナーの説に従えば、特定の人物が、我々の想念の大部分をコントロ
ールすることが出来れば、この3次元の出来事全てを、彼の意図するシナリオ
通りに創起することが出来ることになります。
そして、まさにそれを目論んで来たのが、『闇の勢力』です。彼等が『貨幣』と
『情報』の支配で創り上げてきたこの支配の構造は、それを《当然のこと》と思
い込む我々の『想念』の上に築かれたものです。
ロスチャイルド財閥に代表される無国籍金融資本は、列強の植民地主義政策
の下で、アフリカ、アジア諸国を次々とその経済支配下に組み込み、アメリカに
その集大成的な一国経済支配体制を作り出しました。
しかし、その根幹を成している連邦準備銀行の貨幣制度も、第三十九夜でお
話ししたとおり、本来何の根拠や権限も持たない寄生虫のような存在です。それ
を存在させているのは、それをおかしいと思わない我々の『想念』だけなので
す。
誤解を恐れずに言えば、かつて日本人が『大東亜共栄権』を掲げて彼等に
『NO』 を突きつけたことは、或る意味で、当然の反発的『想念』だったと言えま
す。戦後、それは見事に封じ込まれ、その全てが『悪』として思い込まされて
います。
第二次大戦中、我々がして来た事の中には、確かに帝国主義的で悪辣な行為
もあったかも知れませんが、それ以上の悪意を持つ連中に、一方的にひれ伏
すべきという『想念』など無用です。
一部のスピリチュアリズムの信奉者は、とかく、このような政治的是非論に
ついては、『悪い想念を持たない』として、無関心を決め付けていますが、
『悪い想念を野放しにしておく』のも『悪い想念』の一種ではないかと小生は
思います。
アメリカの、安全性を無視した大企業的農業だけを太らせるTPP加盟や、
国中に放射能を撒き散らす、被災地の瓦礫処理方策など、『悪い想念』に
は強く『NO』と言わなければ、それを『是』とした『想念』の世界が形成され
てしまうのです。
さて、次回第136夜は、その『想念』に出会った死者のその後の話へと
入ってゆきます。
( 追伸 )
中曽根君、君の『想念』が見えたら、
皆ゾッとしただろうにね。
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