トンデモ話は奥で繋がる(132) 23.11.11

トンデモ話は奥で繋がる 「第132夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。

≪輪廻転生 ②≫
 
 ★ コリン・ウィルソンをして挫折

縮コリンウィルソン さて、シュタイナーの『人智学』の解釈を始めるに当たっ
て、まず、彼に対して比較的中立的な立場で、その生涯
とその思想を分析しているコリン・ウィルソン『ルドル
フ・シュタイナー その人物とヴィジョン』
の冒頭の言
葉から始めます。

 ただし中立的であると言うことは、『世間一般よりはオ
カルトに対する理解がある
』 ということを意味します。
つまり『人智学』については、ほんんどの知識人が『オカ
ルト的』として、無視するか批判的な見方をしているということです。

 もっとも『オカルト』という言葉は、『隠されたもの』を表すラテン語から来ており、
我々が直接知覚できないもの一般を指す言葉で、『おどろおどろしい』物に限定した
ことを指すものではありません。

 例えば、惑星間に働きあう力について、ニュートン以前は、宇宙空間はエーテル
という物質で満たされており、それを媒体として力が伝えられるという見方が『科学
』であるとされていました。
 
 そのため、彼が惑星を含めた全ての物体間に働く力として提唱した『万有引力
は、何物も媒介せず作用する力であるとしたため、かつては『オカルト的である』とし
て批判されもしました。

 つまり、何が『科学』で何が『オカルト』かという基準は、その時代に何が正統
とされるか
によって、変わってしまうのです。近い将来、シュタイナーの思想が『正
統』とされる可能性がないわけではありません。

 とは言え、コリン・ウィルソン自身も、同書の最初の章である『1 内宇宙への門』
の冒頭で、彼が最初にシュタイナーの思想についての本を執筆しようとした時の話
を、このように書き出しています。

 「 20世紀のあらゆる重要な思想家の中で、ルドルフ・シュタイナー
  は恐らく最も研究しにくい人物であろう。シュタイナーの思想に馴染
  んでいない人がその著書を読むと、次々に障害に出くわし、意気を
  阻喪させられる。

   まず第一に文体である。おそろしく抽象的で、バターもジャムもつ
  かないトーストのように、食欲をそそってくれない。しかし、『よし、や
  るぞ』と覚悟した読者ならば、何とかそれを我慢できるだろう。

   本当の問題は内容にあるのだ。ところが、その内容もあまりにも奇
  妙奇天烈なので、これはイカサマか、破廉恥な信用詐欺ではなかろ
  うか、という気がしてくる。

   アトランティス大陸レムーリア大陸の事が書いてある『アカシャ
  記録の解読』
のような著作は、『がらんどうの地球』とか、『空飛ぶ円
  盤による金星旅行記』といった題名の本と同じ部類に属するように思
  われて来るのだ。
 
   その結果、肩透かしを喰わされて、最も偏見のない読者でさえ、も
  うこりごりだとばかりに、彼の本を投げ出してしまう。正直言って私も、
  1970年代の中頃に、本書の出版社からシュタイナーについての本
  を書かないかという話を持ちかけられた時、同様の経験をした。

   初めてシュタイナーの名前に出くわしたのは、10歳になったばかり
  の頃で、(…中略…)それからというもの私は、古本屋に行ってはシュ
  タイナーの本を買い漁った。そして拾い読みしたが、文体がどうも気
  に入らなかった。

   が、そのうちシュタイナーの思想を体系的に研究する仕事に本腰を
  入れようかと密かに決意はしていた。そういうわけで、出版社からの話
  は又とない待望の機会に思えた。

   私は、いいですよと返事をし、本棚で埃をかぶっていた10冊ほどの
  シュタイナーの本を取り出した。衆目の見るところ、シュタイナーの著
  作の中では、『神秘学概論』が最も重要であるらしい。そこで私はこれ
  から取り掛かることにした。
  (…中略…)

   私は『神秘学』という言葉が繰り返されている点や、単なる冗長さに
  よって感銘を与えようとしているようなところに、早くも苛立たしい気持
  ちになっていた。
  (…中略…)

   グルジェフの弟子達は、グルジェフが『ベルゼデブが語る孫への話』
  のような作品を、わざと複雑な文章で書いたのは、読む人に大きな知
  的努力を強いる
ためだったのではないかと言っている。

   最初は私は、シュタイナーが意図していたのも、こういう事ではなか
  ろうかと思った。つまり、怠惰な人を排除しようとしていたのではあるま
  いかと思ったのである。

   しかし、さらに読み進めていくと、これが自分の思想を語るシュタイ
  ナーの、自然な方法
であることがはっきりした。

   私はもう一週間辛抱して、『神智学』、『いかにして超感覚的世界の
  認識を獲得するか
』、『神秘的事実としてのキリスト教と古代秘儀』な
  どの著作を読んだが、ついに投げ出した。」

   (コリン・ウィルソン『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョン』pp9-13  
   《河出文庫(中村保男・中村正明訳)》より転載)


 幸い(?)にして彼は、シュタイナーの『真摯さ』を再認識することになり、出版社
に、再度、執筆の意志を伝え、同書が世に出ることとなります。かと言って、彼の書
きぶりは、あくまで『中立的』なもので、かなり辛辣な批判も述べています。

 とは言え、彼のこの率直な告白は、恐らくシュタイナーの『人智学』に初めて接
する人のほとんどに共通する心情
だと思います。小生も随分昔に、『シュタイナ
ー教育』の原点が解るのではないかという、軽い気持ちで数冊を手にしました。

 しかしそれらは、そんなノリでは到底ついてゆけない代物だったのです。挫折ど
ころか、言っている事自体が理解できず、彼の書を『見たことがある』といういう経
験だけに終わっていました。

 実際、小生がこのブログを立ち上げた当初は、シュタイナーの書物の事など頭に
ありませんでした。しかしそれは、3大宗教―シュメール―アヌンナキ―プレアデ
ス―異端派―キリスト意識
と繋げてゆくうちに、コリン・ウィルソンと同様、ブーメラ
ンのように、自分の意識の中に戻ってきたのです。

 ★ 苦節40年の末に得たものは

 1861年、ドイツに生まれたシュタイナーは、幼い頃からその最大の天賦の才
あり、かつ、世間の無理解の原因となった『霊的な次元の感知力』を持っていま
した。しかし、彼は、「どうせ一笑にふされること」と、長年に渡って、その世界を語
ることはありませんでした


 「 私は2つの世界を持っていた。それは不確かではあったが、しかし、
  既に8歳以前に、心の中で、重大な位置を占めていた。私は、物と本
  質を区別
した。それは『目に見えるもの』と『目にみえないもの』である。
                                   《自伝第1章》」

  (西平直『シュタイナー入門』p59《講談社現代新書》より転載)

 若き日の彼は、ウィーン工科大学で、生物学・科学・数学を学びながらも、専ら関心
は、哲学と文学に向いており、とりわけ『ゲーテ』の思想に惹かれて行きます。しかし、
その傍ら、自らの知覚する『霊的世界』への観察をひとり続けてゆきます。

 「 私は、霊界(精神世界)を現実として見ていた。個々の人間の霊的(精
  神的)な個性が、私にはまざまざと見えた。物質としての肉体や物質界
  における行為は、霊的(精神的)個性の現れに過ぎなかった。
                                    《自伝第3章》」
   
  (西平直『シュタイナー入門』pp69-70《講談社現代新書》より転載)

 そんな彼も、40代を迎え、自分の考えを世に問うべきではないかと考えるようになり
ます。そして、巡り合ったのがある文芸雑誌の編集権の委託でした。

 「 私は以前から、雑誌を通じて人々に霊的刺激を与え、自分の意見を語
  ってみたい
思っていた。私は『沈黙する』のではなく、できるだけ多くの
  発言をしようと思った。(…中略…)そこで、「文芸雑誌」の編集権を委託す
  るという申し出があった時、私は喜んでそれを引き受けることにした。
                                    《自伝第24章》」

 しかし、その経営自体はかなり厳しく、執筆者も社会から『はみ出し者』扱いされて
いる者達
ばかりで、世間の評判も芳しくなく、かえって多くの友人から見放される結果
となる、辛いものでした。

 そんな中でも、自分の考えを述べる機会さえあれば、自らの主義・思想的には相
容れない集まり
であっても、講演の機会を拒まない姿勢で臨んだ彼は、1900年
9月
、彼自身は批判的であった『神智学協会』から『ニーチェ』に関する講演を依頼さ
れます。

 シュタイナーは、『ゲーテ』を始め、様々な文学者・思想家達の作品の中から、『超感
覚的』な世界を譬えている部分の解釈
を発表しており、それが『神智学協会』のある
会員の目に止まったのです。

 当時の彼は、権威的な物言いではない、聴衆と気軽に対話するようなカリスマ的演
説方法を発現していました。そして、『神智学協会』の考え方とは相容れない部分もあっ
たものの、彼の神秘主義に関する考え方を述べてゆきました。

 会員の方でも、彼が『個人的な知識を基礎において』話をしているのだという実感か
ら、大いに興味をそそられ、大きな反発も受けないまま、請われるまま計23回にも及
ぶ講演をこなします。彼は40歳前にして初めて『聞く耳を持つ聴衆』を得たのでした。

 こうして、『神智学協会』との縁ができ、さらにドイツ支部の書記長にまでなった彼でし
たが、その当初から『自分は協会の意向通りにはできない』との意志を表明してい
ました。つまり、待望の聴衆も、数年後の決別までの束の間の『聞く耳』だったのです。

 ★ 『神智学』の欠点 

 シュタイナーが『神智学』に対して、大きな関心を持ちながら、その意向に従えなかった
点のひとつは、『心霊現象』への接し方にありました。1904年、彼はベルリンで行われ
た『心霊術の歴史』という講演の中でこう述べています。

 「 (死者と接触することが、今より遥かに容易であった過去ののある時期
  には)通常人においては未発達である霊的な力が、どの人間の中にもま
  どろんでいる
ということは、はっきりと理解されていました。

   が、人間の本性の中にまどろんでいるこの霊的な力は、長期間に渡る
  『行』によって、目覚めさせられ育成されるのであり、秘儀を信奉する人
  達が至難の業としている種々の進化段階を経なくてはなりません。

   人が自分の中に、そのような力を育成し、真理を探究することができる
  ようになった時、このような探求者と通常人の関係は、目の見える人と、
  生まれつき目の見えない人との関係に等しい
ものになる、という見方が
  生まれて来ます。

   それこそが、聖なる秘儀において人々が目指していたことなのです。」

  (コリン・ウィルソン『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョン』p200  
  《河出文庫(中村保男・中村正明訳)》より転載)


 しかしながら、『神智学協会』では、一般人の前でさまざまな『心霊現象』をに現出する
ことにより、個々人の霊的な力は未熟なままで、霊的なものの存在を目の当たりにし、
それを信じることだけに重きを置く姿勢をとっていたのです。

 その点に対し、コリン・ウィルソンは次のように表現しています。

 「 シュタイナーによれば、『古代の秘儀が用いたのと同じやり方で、高次
  の直観力を発達させる
』よう会員を指導した秘密結社が、中世には存在
  していたという。

   そのうち、唯物論の勃興とともに、この直接的、直感的な『超感覚的世
  界の認識
』は次第に消滅していった。
   心霊術が現れたのは、まさしくその時期だった。

   入神状態に入る霊媒やら、お告げを語りながら室内を飛び回るトラン
  ペットやら、『霊』が目に見える形をとって現れるエクトプラズムなど、
  りとあらゆる道具立て
を伴って現れたのである。

   シュタイナーによれば、心霊術の欠点は、霊界へのあの直接的、直感
  的透視を実現しようとしないで、『目が見えぬままでいる』よう仕向けてい
  る
ところにあるという。」

  (コリン・ウィルソン『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョン』pp200-201  
  《河出文庫(中村保男・中村正明訳)》より転載)
  

 それでは、次回第133夜からシュタイナーの説く霊界へ直接・直感的透視
の内容とは、どのようなものであったのかについて、見てゆこうと思います。

( 追伸 )

 中曽根君、そう言えば君も『原発』の恐ろしさについて
『目が見えぬままでいる』よう仕向けてきたひとりだね。

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