FC2ブログ
   
08
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
   

トンデモ話は奥で繋がる(121) 23.8.23

トンデモ話は奥で繋がる 「第121夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。

≪フリーメーソンの考察 ⑧≫
 
 ★ 陰謀論のバイブル

 初めに、有澤玲氏の『イリュミナティの知られざる真実』より、バリュエル神
父の著書の内容とその評価についてみてみます。

 「 この著作で長々と論じられている内容を要約すれば、『フリーメ
  ーソンリー=バイエルン啓明結社=テンプル騎士団=薔薇十字
  団』
が、フランス革命を引き起こしたということに尽きます。…①

   テンプル騎士団は、『グノーシス主義』や『マニ教』、『カタリ派』
  
といった異端の勢力によって堕落させられ、キリスト教に刃向か
  う邪悪な組織へと変質してしまったのだそうです。…②

   地下に潜伏して命脈を保ったテンプル騎士達は、『フリーメー
  ソンリー』や『バイエルン啓明結社』といった各種の秘密結社を生
  み出しただけではなく、ヴォルテールやJ=B・L・R・ダランベー
  ルに代表されるフランスの啓蒙思想家達にも援助を与え、舞台裏
  から巧みに操りました。…③

   その目的は、14世紀の初めに自分達の騎士団を破滅へと追い
  込んだフランスの王権とローマ・カトリックの教権に復讐を果たす
  こと。彼等の努力は見事に結実します。

   『フリーメーソンリー=バイエルン啓明結社=テンプル騎士団=
  薔薇十字団』
実力行使部隊として結成された『ジャコバン派』が、
  全てを首尾よく片付けてくれたからです。…④

   かくして、神が与えたもうた理想的な社会秩序は破壊され、『自
  由、平等、博愛』や『民主主義による共和国』といったスローガン
  を旗印とする『暗黒勢力の治世』が始まることになったのです!
                                      …⑤

   ―以上がバリュエル神父の描く歴史観の概要ですが、いかが
  でしょうか。
   現代人の目から見ると、アンシャン・レジーム(旧体制)を絶対視
  する、ウルトラ封建保守主義者の、ひがみきった繰り言以外の何
  者でもないように感じられますが…

   それだけではありません。バリュエル神父の記述を細かく精査
  していくと、至るところ間違いだらけであることが分かります。

   人名も地名も事実関係もまるで当てになりませんし、その時点
  ではまだ生まれてもいなかった人物が、その時点ではまだ結成
  されてもいなかったロッジで演説
をしていたりするのです。…⑥
   
   有澤玲『イルミナティの知られざる真実!』pp75-76《徳間書店5次元
   文庫》より転載)


 ざっと読んだだけでも、バリュエル神父の歴史観が、『封建・ローマカトリック
体制』こそ善
であり、一般大衆はそれに支配されてこそ社会秩序側を維持
できるという見方から書かれているのは明らかです。

 そして、それを破壊する『悪』の図式として、『フリーメーソンリー=バイエ
ルン啓明結社=テンプル騎士団=薔薇十字団』
という結びつきによって説
明した初めての例であり、以後『陰謀論のバイブル的な著書』とされたようで
す。

 有澤氏がで述べているように、その中には時間的に辻褄があわない点
あるといいます。もしそうであれば、部分的に創作された可能性も出てきます。
残念ながら、詳しくは説明されていないので、その点についての判断は小生に
は付きかねます。

 ★ 矛盾点だらけ

 そもそもバリュエル神父はのように『フリーメーソンリー=バイエルン啓明
結社=テンプル騎士団=薔薇十字団』という図式で、あたかも全てのフリー
メーソンリーがそうである
かのような説明をしています。

 しかし、まず『フリーメーソンリー=バイエルン啓明結社』については119
でも述べたとおり、あくまでフリーメーソンリー内の一部の流行、しかも
ァウスハウプトを中心とする一握りのグループ
のことに過ぎません。

 しかも、彼自身は啓蒙主義者の信念から、『薔薇十字団』系の神秘思想や
オカルティズムにも組しない立場を堅持
したとされており、その信念の強さを
示す彼の経緯からしても、『バイエルン啓明結社≠薔薇十字団』と思われます。

 一方、『テンプル騎士団』は、118夜で見たとおり、ラムジーがフランスで立
ち上げた、『グラン・トリアン』が人寄せのために提唱した起源説であり、確たる
根拠は不明
です。

 しかもその中心は、イギリスにカトリック王朝を復活する政治的目的を持っ
ている『ジャコバイト』であり、親密ではなかったにせよ、少なくともフランス王
権やローマ・カトリックに対抗する勢力ではありません
でした。

 また、『テンプル騎士団の残党』の存在そのものも不明です。仮に存在する
とすれば、ラムジーが『薔薇十字思想』に傾倒していたことから、『テンプル騎
士団=薔薇十字団』
である可能性はあります。

 ただしその場合は、先に述べたとおり、ヴァウスハウプトの信念とは相反
ます
。さらに、『ジャコバイト』の思想にある、封建制度やローマ教権を良しとし
ないのですから、その思想を受け継ぐことは無いでしょう

 となれば、少なくとも③のように『テンプル騎士団』が『バイエルン啓明結社』
を生み出すことは考えられません
。また、『フリーメーソンリー』についても、
原則、政治活動をしないのですから『ジャコバイト』の思想と反します

 となれば、原則的に『フリーメーソンリー≠テンプル騎士団』ですし、特にその
中でも『バイエルン啓明結社≠テンプル騎士団=薔薇十字団』は確実という
ことになります。

 また、『バイエルン啓明結社』『ジャコバイト』の共通点は、唯一『革命思想』
ですが、その方向性は、『民主主義』VS『王政復古』と正反対のものです。
つまり、④についても、そもそも協調体制にはありません

 また、第112夜で見たように、そもそもフランス革命の決定的な力になったの
は、③のような啓蒙主義者ではなく、彼等が一顧だにしなかった農民達でした。

 つまり、バリュエル神父の説は、革命の事実以外は矛盾だらけで、、何一つ確
定的な根拠にはなっておらず、『革命の黒幕』を彼の説く『悪』の結社に押し付け、
『イエズス会』を守るための、単なるこじつけと感じざるを得ません。

 ★ シモーニーニの書簡

 ところでの図式には、『陰謀論』のもうひとつの定番である『ユダヤ人』
名前が抜けています。実は、バリュエル神父の原書には、意外にも『…=ユダヤ
人』
という記述は無いのです。

 バリュエル神父の著書の出た1797年と言えば、第三十一夜で見たとおり、
1764年にロスチャイルド商会を設立した初代マイヤ-が、その5人の息子を全
世界へ送り出す準備を着々と進めていた時期であり、王権への急接近ぶりは誰
もが知るところでした。

 この点について、有澤玲氏は同書で、

 「 彼は恐らく、『フリーメーソンリー=バイエルン啓明結社=テンプ
  ル騎士団=薔薇十字団』
に関して筆を進めるのがあまりにも楽しく
  なってしまったため、ユダヤ人の存在をすっかり忘れてしまってい
  
のでしょう。」

  有澤玲『イルミナティの知られざる真実!』p77 《徳間書店5次元文庫》より転載)

 と書いています。
 (ただし小生は、『もうひとつの別の見方』もあると思っており、以下順を追っ
 て見てゆきます。)

 さて、ここに『シモーニーニ』なる人物が登場します。彼はバリュエル神父の著書
に感銘を受け、あるユダヤ人から直接、個人的に聞いた情報(?)』として、

 ① あらゆる社会秩序を敵視している邪悪なユダヤ人勢力が世界征服を
  目論んでおり、全キリスト教徒を奴隷化しようとしている。
 ② 『マニ教』や『アサシン派』の創始者も実はユダヤ人であった。

 という書簡をバリュエル神父に送ったとされます。これがいわゆる『シモーニーニ
の書簡』
で、その後の『反ユダヤ主義者』の主要な根拠資料となっています。

 神父はこれを全面的に採用し、『ユダヤ人』を付け加えた草稿を完成させますが、
発表する前にこの世を去っています

 こうして、『フリーメーソンリー=バイエルン啓明結社=テンプル騎士団=薔
薇十字団=ユダヤ人』
という図式が完成しますが、シモーニーニなる人物の素性
も、実在の証拠も示されておらず、肝心の書簡についても、偽造品の可能性が指
摘されている不確かなものです。

 以上のように、バリュエル神父から発信された『陰謀論』は、全く根拠が不明確
なものですが、小生がひとつだけ肯定する点があります。それは⑤に示されたとお
り、この時期を境に、見せかけの『民主主義』を掲げた『暗黒勢力の治世』が始ま
っていった
という点です。

 次回第122夜は、その点についての、小生の『異端的見解』を述べて見たい
と思います。


( 追伸 )

 中曽根君、君には『原発熱中症遺伝子』があるかもね。

目次のペーシへはこちらから
 
関連記事
Secret

プロフィール

工芸美術をやっています。2017年からスペイン語の試験を受けています。が、ドンキホーテはいまだに完読できていません。握力は小学生よりない力なし。ひっそりとこのシャバの片隅でモーニングを食べている凡人です。

るんるうん

Author:るんるうん
またの名はクマネルです。ふしぎなことが好きです。着物も好きです。

たまに、魚を捌きます。猫におしっこをかけられたこともありますし、珍しい体験もあります。

たまに-クッテネル-が記事を書きます。そちらもよろしく。

いつのまにか歳をとりました。

☆★☆管理画面★☆★


☆★☆

十二か月の着物

手持ちの着物を月ごとに替えて表示してみました。2015年1月
縮縮きものあわせIMG_1116  蕪柄の小紋と、金の傘の柄の帯 冬の野菜-かぶら-は、ほっこりとした暖かさを感じます。帯の地色は新春の華やぎを...

カテゴリ

最新コメント

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
心と身体
123位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
スピリチュアル
40位
アクセスランキングを見る>>

カレンダー

07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

リンク

RSS登録er

月別アーカイブ

ブログ翻訳

powered by 3ET
powered by 電脳PC生活

メールフォーム

メールはこちらまで

名前:
メール:
件名:
本文:

検索BOX・タグ一覧

サイト内検索

全記事一覧,全タグ一覧へ

クマネルおすすめコーナー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示

QRコード

以下のHPもありますが、休止中です。

星読の譜

QR

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

最新トラックバック

カテゴリ別タカラキッチンを使ってみて記事一覧