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トンデモ話は奥で繋がる(113) 23.7.8

トンデモ話は奥で繋がる 「第113夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。

≪秘密結社の考察 ④≫  

 ★ 必要とされる『神』

 第110夜では、啓蒙主義者達は、結局「政治の世界」では、たいした革新
的な行動をとれないまま
、先に彼等の理想とは違う形で、庶民の側から先に
旧体制の核心部分への突き上げが起こったことを述べました。

 しかし、こと「宗教」に関しては、彼等の信念はブレることなく、ローマカトリ
ックの説いてきたに人間観に対して徹底的な批判を加え、彼等自身の手によ
る新しい解釈
を求める姿勢を崩しませんでした。

 彼等は、人間の存在を、近代科学の常識に合致するものに変えてゆくこと
に最大の主眼を置きました。しかし、初期の段階では、その考え方は、必ずしも
教会の教義と対立するものではありませんでした

 「 ヴォルテールがキリスト教の教義と教会に代わって確立しよう
  としたのが、ゲイのいう『近代的な異教』である。具体的には、そ
  れは『自然の宗教』という形をとるはずだった。

   ドグマに縛られず、合理的で、慈愛に満ちた神の存在を信じる
  ものであって、その神は、ニュートン的な宇宙の創造主とみるべ
  きであり、また、人間同士の正義や道義性を保証する存在として
  崇敬すべきものであった。
 …………………………………………………………………………………

   確かに科学と哲学は、まさにキリスト教的な、聖書の神人同形
  論的な『奇蹟の主としての神』の存在に対して疑問を投げかけた
  とは言え、天地を司る何らかの神的な存在、一つの超自然的な
  創造主、或いは設計者、或いは精神が存在することを暗示して
  いる、と大方の知識人が信じていた。                
 …………………………………………………………………………………

   そして、大半の啓蒙主義者の知識人は、信じるか信じないかは
  ともかく、体面上、教会組織の公的な儀式には、ある程度うわべ
  だけでも順応することも必要だと考えた。

   そのような礼儀正しい行動は、あるべき社会の秩序や国内の平
  和を維持
することに、きっと役に立とう。        
 
  (ロイ・ポーター『啓蒙主義』《岩波書店 ヨーロッパ史入門<pp50-52>
                          (見市雅俊・邦訳)》より抜粋転載)


 つまり、初期の段階では、人間的な『神』であるかはともかく、存在する特
定の「何者か」が我々を創造
したのであり、その「何者か」について崇敬す
ることは、社会秩序のためには必要だと考えたのです。

 ★ 聖書の『仕分け作業』 

 しかし一方で、中世の教会が説いてきた、科学的理性とは相容れないも
、例えば「天使」や「地獄の業火」等については、『ばかげた付着物』として、
教義として認めない姿勢を示します。

 その点で最も先駆的だったのが、ジョン・ロックの『キリスト教の合理性』
でした。ロイ・ポーターは、同書の論点を以下のように述べています。

 「 全知全能の慈悲深い創造主が存在するのを信じることや、
  その神に従い、崇敬する義務があるなどのキリスト教の中心
  的な教義は、理性や経験と完全に合致しているからだ。
   
   キリスト教徒であることは、合理的な責務なのである。しか
  し、合理的なキリスト教徒は、伝統的な信仰に関して、理性ゆ
  えにためらいを覚える部分まで受容すべきいわれはないのだ


   このように、『合理的な宗教』という装いのもと、キリスト教は、
  有識者が安心して信用できる最小限のものに削ぎ落とされて
  いった。」

   (ロイ・ポーター『啓蒙主義』《岩波書店 ヨーロッパ史入門<p54>
                        (見市雅俊・邦訳)》より抜粋転載)

 
 そして、さらに前衛的な啓蒙主義者は、『キリストの受肉』や『治療の奇
蹟』等
についても、『合理的なキリスト教』の本質には必要の無いものとして
退けてゆきます。

 かくして、『合理的なキリスト教』は、トリック的な作り話と疑われる部分を
次々と廃し、『自然の神』に辿り着いてゆくことになります。

 「 自然そのものの背後に、また、それを超えた所に、意識を持
  つ、知性的な原理、つまり、至上の存在、ないし創造主が存在
  すると信じなければならない理由はひとつもない


   存在するものはただ自然だけであり、聖なるものが存在し、
  しかも崇敬する必要があるとすれば、それは自然そのものな
  のである。」

  (ロイ・ポーター『啓蒙主義』《岩波書店 ヨーロッパ史入門<pp55-56>
                        (見市雅俊・邦訳)》より転載)


 ★ 啓蒙主義者の知的楽しみ 

 しかし彼等が、そこまで『宗教』の改革の必要性を感じていたのかと言う訳
ではなく、むしろ『知的好奇心』を満足させる、絶好の材料であったに過ぎな
かったのだと、ロイ・ポーターは、こう指摘しています。

 「 批判という行為によって、また社会的・自然的な存在としての
  人間について新しく、もっと科学的に理解しようという、遥かに
  壮大で想像力に富む営為によって、目にもの見せる事の方に
  主眼
があった。

   青写真を描くことよりも分析することの方に、そして結論を出
  すことよりも問いを発することの方に、関心があったのである。
  (…中略…) 

   はっきりしているのは、次のことだ。

   人間の本性や人間の行動の源について、啓蒙主義は飽くなき
  探求のプログラムに手を染めたが、そのことが、何世紀にも渡っ
  て全てのキリスト教が教義や説教を通じて厳かに説いてきた、
  人間とその義務と宿命についての定まった教えを、根底的に否
  定
することになった。
  (…中略…) 

   聖書において啓示され、教会によって保証され、神学において
  合理化され、説教壇から説かれてきた、人間と社会と自然を理
  解するための聖書に基づく来世志向の枠組みときっぱり手を切
  
ること…啓蒙主義が本当の意味で急進的だったのは、その点だ
  ったことは明らかだと思われる。」            
       

   (ロイ・ポーター『啓蒙主義』《岩波書店 ヨーロッパ史入門<pp103-
                        104>(見市雅俊・邦訳)》より転載)


 ★ 叩かれれば叩かれる程に 

 ただし『仕分け作業』もここまで来ると、さすがに教会側も放っておくわけに
はいかなくなり
異端思想家として弾圧を加えたり、書物の検閲をさらに厳
しくしてゆきます。

 そして、啓蒙主義者自身へのこの圧力こそ、彼等が最も憤りを感じ、こと宗
教に対し、対政権に対しては見られなかった、徹底的な批判を貫かせた原動
であったと、ロイ・ポーターは言っています。

 「 しかしながら、何故これほど多数の啓蒙主義者、それも特にフ
  ランスの啓蒙主義者が、キリスト教の信仰と教会に対して、これ
  程までにきつい憎しみを露わにしたのかという問題が残る。
  (…中略…)

   ひとつには、組織されたキリスト教は、冷徹で計算高いイカサ
  マ師だ、と確信していたからである。

   教会人自身も、自分達の訳の分からぬ教えを丸ごと信じてい
  るわけではない。

   しかし、狡猾な奇術師と同じように、ラテン語による長い口上、
  手先の速技、絢爛豪華な雰囲気などで、信者を意のままに操
  れる
ことを百も承知している。
  (…中略…)

   中世のキリスト教会も、煉獄のような教義とそれに付随する免
  罪制度をシニカルにでっち上げて、人心を操り敵対者に戦争を
  仕掛け、
そうしてヨーロッパで最も富裕な多国籍組織にのし上が
  ったのだ。 

   啓蒙主義者が憤激してみるところ、教会は単に間違っていると
  か、無節操であるとかいう問題では無かった。断固として、悪な
  のだ。
偽善的に平和を説きつつ、不和と紛争の種を蒔く。  

   何よりも啓蒙主義者を怒らせたのは、富裕であり、しかも経済
  を圧迫している教会は、いまだなおマインド・コントロールと政治
  的権力を行使
していることであった。

   未だに他の宗派の存在を一切容認しようとしない。児童教育か
  ら神学校や大学までの教育制度をあらかた独占支配している。
  (…中略…) 書物の検閲も行われている。(…中略…)

   スペインのように王権の側が教会に対して懲罰権を認めた所で
  は、知的にも科学的にも、大変なをとることになった。

   オランダ共和国やイギリスのように、世俗権力が教会の勝手な
  行動を抑制した所でのみ、進歩が確保されたのであった。

   つまるところ、啓蒙主義者の宗教攻撃が苛烈になったのは、そ
  の個人的な体験や境遇によっていた。
  (…中略…) 
 
   自分達のために言論の自由を要求するようになった。近代性の
   代弁者として、教会に取って代わろうとしたのである。」
 
  (ロイ・ポーター『啓蒙主義』《岩波書店 ヨーロッパ史入門<pp56-59>
                          (見市雅俊・邦訳)》より転載)


 ★ そして、新宗教へ 

 さて、長々とロイ・ポーターの書を紹介してきましたが、ようやく本題に近づいて
きました。そもそも、小生が本書を取り上げた理由は、前文に続く、以下のような
記述があったからです。

 「 ところが、皮肉にも、取って代わろうとするその聖職者を真似
  ることにもなったのである。徒党を組んだ、つまり自分達の『聖な
  るサークル』
を形成した。

   しばしば秘密主義を育み、中には、仲間うちの儀式オカルト
  的なシンボルを発展
させることに快感を覚える手合いもいた。

   とりわけ、啓蒙主義者の多くが、この時代に新たに登場しつつ
  あったフリーメーソン・ロッジの初期の熱心な会員になった。そ
  のようなロッジは秘密の紳士クラブであり、男の友情を篤くする
  場所となった。

  ……………………………………………………………………………
 
   啓蒙主義を、その英雄達の死去とともに終焉したかのように見
  るのも、考え直さなければならないかも知れない。
確かにコンド
  ルセを除くと、フランスの偉大な啓蒙主義者は、全員がフランス
  革命前にこの世を去ったわけだが。

   そうでなく、近代の社会史家に従えば、この運動は、あまり名
  の知られていない思想家や書き手、そして 読み手、さらに人の
  繋がりによって始動し、支えられ、波及する、もっと幅広い発酵
  現象として見なければならない。

   友人や共鳴者や同伴者の広範なネットワークがあったからこ
  そ、発展できたのである。逃亡者を匿い、手紙や書籍を地下に
  隠れている人々に回してくれた同志である。

   当局の黙認や、内緒の手助けに恩恵を被る事もあった。不法
  な出版活動
に目をつぶっくれることもあった。  
     

  (ロイ・ポーター『啓蒙主義』《岩波書店 ヨーロッパ史入門p59,p65
                            (見市雅俊・邦訳)》より転載)

 
 彼等の『知的好奇心』を満足させるための『教会』との対立、そして全く新し
い形の『宗教』の探求
、それを秘密裏に流布させるための拠点。それらの
受け皿として、フリーメーソンのロッジは最適だったのです。

 小生の思うところ、フリーメーソンのロッジはこうした啓蒙主義者が、自分の信
念的活動を保つため、とりあえず一時的に身を寄せる『退避所』の役割をし
ていたのだと思っています。 

 逆に、ひとまとめに啓蒙主義者と言っても、彼等の興味の焦点や、目的と
する所は多種多様
です。ロッジが地域ごとである以上、目的にそぐわなけれ
ば、自分で分派を創るしかありません。

 この辺りの、目的の曖昧さ、入退の自由さが、フリーメーソンという組織の
性格を、何でも有りで捉えどころが無いものにし、その癖『陰謀組織』の代表
として方々から攻撃の的とされる原因を作っているのだと思います。

 かといって、小生は、その全ての構成員が健全であるとは考えていません
むしろ、その組織を隠れ蓑的に利用している輩も多数いると思います。しかし、
それは当初のフリーメーソンの組織そのものとは別なのではないかと思うの
です。

 それでは、フリーメーソンの本質とは一体何なのか、次回第114夜から、
小生なりの考察をしてみたいと思います。


( 追伸 )

 中曽根君、君なら「核燃料プール」でも泳げる
だろうね。

目次のペーシへはこちらから






続いてやってます。超能力開発ESPシリーズです。
勘で当ててください。-男の人の中の女の人を見分けてください。

縮歴史人物1IMG_0966



人物カードが4枚あります。歴史上の有名な人物が書かれたカードです。このカードのうち、一枚は女の人です。あとは全部男性です。たった一人の女の人は左から何番目にいるでしょう。勘を働かせて、女の人はどのカードかあててください。
下の投票用紙の、1から4までの数字をクリックして投票完了です。ぜひ挑戦してみてください。
ついでにどんな人かわかったら、コメントに書いてね。
結果発表は8月上旬です。
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プロフィール

工芸美術をやっています。2017年からスペイン語の試験を受けています。が、ドンキホーテはいまだに完読できていません。握力は小学生よりない力なし。ひっそりとこのシャバの片隅でモーニングを食べている凡人です。

るんるうん

Author:るんるうん
またの名はクマネルです。ふしぎなことが好きです。着物も好きです。

たまに、魚を捌きます。猫におしっこをかけられたこともありますし、珍しい体験もあります。

たまに-クッテネル-が記事を書きます。そちらもよろしく。

いつのまにか歳をとりました。

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十二か月の着物

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