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トンデモ話は奥で繋がる(110) 23.6.24

トンデモ話は奥で繋がる 「第110夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。

≪秘密結社の考察 ③≫  

 ★ 啓蒙主義者にとっての人民

 次に、『啓蒙主義―第3章 啓蒙主義の政治学』から、啓蒙主義者の置かれ
ていた立場と、フランス革命で立ち上がった一般民衆が、当時の彼等の目にどの
ように写っていたのかについて見てみましょう。

 「 著名なフランスの啓蒙主義者は、旧体制の害悪を果敢に糾弾した。
  しかし、雄弁だったことと実際の政治行動とが、彼等の場合、合致し
  ていたと、果たして言えるだろうか。

   誰一人として真剣に政治的な抵抗をしようとはしなかったし、武器
  とろうと訴えることもなかった。実際には、現状に十分満足していたか
  らではないか。
  (…中略…)
   (一時期のヴォルテールやディドロを除き)個人的自由をひどく脅か
  されることもなく、反体制活動を継続できたし、文芸サロンではもては
  やされた。

   16世紀と17世紀の何千人もの異端や自由思想家が辿った、血生
  臭い運命と比較してみればいい。ジョルダーノ・ブルーノ然り、
  トンマーゾ・カンパネラ然り、また、彼等ほど酷い目には遭わなかった
  が、ガリレオ・ガリレイ然り、である。
  (…中略…)
   啓蒙主義者は、どこまでアンシャン・レジーム打倒に関与したのだろ
  うか。むしろ、政治的には口先だけの小者だったと見捨ててもよいので
  はないか。
 ………………………………………………………………………………

   そもそも、人民全体の叡智を政治的に信頼する根拠などあり得たの
  か。
  (…中略…) 
   住民の大半は、文字も読めないような農民や労働者であり、あまっさ
  え農奴までいる始末だった。エリートから見れば、全てが絶望的になる
  程無知で、後進的で、迷信的で、どやしつけられて何も考えずに、王座
  や教会の祭壇の前にひれ伏す連中でしかなかった。」 
 
   <ロイ・ポーター『啓蒙主義』同書pp37-39《岩波書店(見市雅俊・邦訳)》より
                                         抜粋転載)>

  彼等は確かに、専制的になり始めた王政に対して、人民中心的な政治のあり
方を声高に掲げました。しかし彼等の多くは、自分達の自由を脅かされない範囲で、
自分達の見識者ぶりを披露するのに留まりました。

 異端審問の闇に消えていった16世紀の自由思想家達の心の中には、ローマカト
リックによるキリスト教的世界観を正し、自らの生命を賭けてまで貫き通そうとする、
非服従的信念がありました。

 しかし、啓蒙主義者にとっての「人民」は、自分達の政治的見識を理解し得る階層
の人達
でしかなかったのです。彼等の多くは、今の自分達の自由で満足のゆく地位
と生活
を脅かす改革など考えてもいなかったはずです。

 ★ 『法の精神』の限界

 それではいったい、啓蒙主義者が何を目指していたのか。ロイ・ポーターは、それを
最も端的に示していたのが、モンテスキューが1748年に著した、『法の精神』であ
ると言っています。

 「 そこ(『法の精神』)では、政体が3種類にまとめられる。
   
   まず、共和政。モンテスキューは共和政に強く心惹かれるものを感じ 
  ていた。統治に参加することによって自由が守られ、その政治活動に積
  極的に関わることで徳性も高まると信じたからである。

   しかし、共和政が栄えたのは、古典古代。モンテスキューは悲しげに結
  論する。『それは基本的に過去のものだ』と。

   次に、君主政。明らかに、近代世界において展開可能な統治形態であ 
  る。君主政が安定しているのは、身分の序列制度をしっかり守るからで、
  貴族、名望家、そして聖職者は明確に規定された身分を保証される。

   さらに、ひとつの集団の全成員が、自分達の身分に対して賦与する『名
  誉』の感
も君主制の安定に寄与する。君主政は、望ましき独裁支配
  のである。

   その君主政が倒錯したもの、それが第3の政体である専制主義である。
  そこでは支配者が、臣下の間の身分の区別を全て撤廃し、恐怖によって
  統治
を行うとされる。

   フランスの王権は「君主政」から「専制主義」へと変貌しようとしているの
  ではないか。ルイ14世(在位1643―1715年)の野心を考えた結果、モ
  ンテスキューはそのような不安を抱くに至った。

   そこで、『法の精神』では、均衡をとるために、伝統的な貴族や、地方の
  高等法院や、果ては教会の政治的な役割を誉め称えることになった。
  (…中略…)
   自由を守るためならば、王国の一番反動的な身分でも、これを支える必
  要があるかも知れない、となる。」
                         
   <ロイ・ポーター『啓蒙主義』同書pp39-40《岩波書店(見市雅俊・邦訳)》
                                        より転載)>

 彼は「共和政」に次ぐ次善の政体として「君主制」を維持しようと考えますが、それ
には「君主の専制」に対抗しうる勢力として、貴族、高等法院、そして前近代的勢力
である教会さえも、均衡のために必要だと考えました。

 つまり、「人民」の自由を確保するためには、敢えて「人民」の上に立つ複数の特
権的階層
が不可欠だとしたわけです。およそ「人民そのものが主権をもつ政体」
など、考えてもいなかったということです。

 ★ 啓蒙的君主への望み

 これらの啓蒙主義者の苦渋をよそに、奇跡の国オランダ共和国には、17世紀末
に、身分・宗教・経済的な自由な商人たちを中心とした『市民国家』を実現させてい
ます。

 しかし、啓蒙主義者たち誰一人、この政治システムを模倣すべきだとは考えませ
んでした。貴族出身の彼等にとって、オランダ人はユダヤ人同様、ケチな商人でし
かなかったのです。

 やがて彼等は、他の勢力に君主の専制を牽制させるより、支配者そのものを『啓
蒙的君主』
に育てあげて他を牽制させる方がてっとり早いと考えます。
 そのためには、個人の自由が少しばかり制限されることも止む無しとします。

 「 厄介なのは、誰が統治を行うべきかという問題だった。啓蒙主義
  者が全体として辿り着いた結論は、支配者がなすべきことについて
  助言をまとめた方が、遥かに建設的だということであった
  (…中略…) 
   彼等が求めたのは、市民社会の領域において平和と繁栄と正義と
  福祉を促進することによって、進歩を達成する行政府であった。
                                   <同書p41>
  ………………………………………………………………………………

   ルソーは『社会契約論』の冒頭、こう述べた。
  『人間は自由に生まれた。ところが、至る所で鎖に繋がれている』
 
   しかし、『高啓蒙主義』の大陸の啓蒙主義者は、後代のイギリス
  の自由放任の自由主義のように、私的な自由を極大化し、それに連
  動して国家の役割を弱めることを、第一の要求として掲げることは
  なかった。
   
   一つには、教会の干渉と貴族の特権に対して、臣下の自由を維持
  するには、強力な行政府が必要であるとされたからである。
                                   <同書p42>
  ………………………………………………………………………………

   初期の啓蒙主義の思想家が、何よりも心を砕いたのは、専制主義
  の広がりを食い止める
手立てを見つけることであった。
  (…中略…)
   ところが、18世紀中頃には、既に述べたように、関心が政治権力
  の目的や効用
の方に移動していたのである。高潔な人間を作るの
  はどのような国家か。経済活動を活発にし、或いは、住民の健康に
  資するのは、どのような政策か。

   このように政治のプログラムは、だんだん建設的になってゆくが、
  反面、願い事リスト、ないしユートピア的な夢想がいたずらに膨ら
  むことにもなった。 <同書p44>
  
  (ロイ・ポーター『啓蒙主義』pp41-44《岩波書店 ヨーロッパ史入門
                       (見市雅俊・邦訳)》より抜粋転載)


 ★ フランスのみが革命へ…

 実際、南ドイツやハプスブルグ家の領土では、フリードリッヒ大王や、
エカテリーナ女帝のような「啓蒙絶対君主」が生まれます。オーストリアでも
マリア・テレジアヨーゼフ2世がこれに続きます。

 中央や東ヨーロッパでは、官僚的な階層が「上」からの啓蒙主義の流れを作
ります。イギリスでは1688年の名誉革命を経て、不完全ながら立憲政治
実現し、王権は議会と協力体制をとっていました。

 そんな中で、唯一フランスだけが例外でした。「啓蒙的君主」はついに現れ
ませんでした。一方、啓蒙主義者の方でも、他国のそれと違って、君主に忠誠
心を捧げるなどとは思ってもいませんでした。

 そして、1789年7月14日のバスティーユ襲撃が起こります。ロイ・ポーター
によれば、啓蒙主義者は、確かに支配体制を精神的に揺さぶってはいたものの、
最後までそのビジョンを示すことができなかったとされます。
 
 「 では、人民を構成するのはいったい誰なのだろうか。或いは、誰
  がその人民を代弁できるのだろうか。この問いに含まれる多義性
  が鮮明になるのは、1789年に革命が起きて以降のことである

   フランス革命によって、政治理論や計画が入り乱れる状態が作り
  出されたことは、よく知られているとおりだ。

   ルイ16世が処刑された後、政体が次々と入れ替わるものの、民
  主的な統治と効率的な統治という、二重の課題をしっかり調和させ
  る手立ては、なかなか見つからなかった。

   しかしそのことは、啓蒙主義の最良の頭脳を悩ませた謎は、革命
  によっても解決されなかった
ということでしかないのである。」
  
  (ロイ・ポーター『啓蒙主義』p45《岩波書店 ヨーロッパ史入門
                      (見市雅俊・邦訳)》より転載)


 陰謀論に従えば、『その仕掛け人こそフリーメーソンだ』というわけですが、
それにしては、その後の混乱ぶりからは、始めからきちんとしたシナリオが用
意されていたようには感じられません。

 ★ 原子力村という専制君主

 フリーメーソンの関与の話は、いずれまたお話しするとして、ここまでの流
れから小生が感じるのは、結局当時の「啓蒙主義者」たちは、政策的には独
善的でまとまらず、自分の安定を捨ててまで王権を攻撃しなかっ
たのです。

 これを現代に置き換えて見ましょう。さし当りこんなところでしょうか

 ● 日々「専制的」になってゆく「君主」「電力・原子力村」の利権者
 ● 特権的な「貴族階級」=結局は電力に頼らざるをえない大企業群
 ● 旧権威的な「教会」=民主党も含む旧自民党系の面々

 「啓蒙主義者」たる「知識人と称する面々」は、この支配の構図について、あ
れこれ言ってきたのですが、所詮彼らの活動の場は「原子力村」が牛耳る大
手マスメディア
であり、そこでの地位は捨てられません

 他腹総一郎を筆頭とする「原子力村」キャスターは、決して「君主」の暴挙
は攻撃せず、「貴族階級」と「教会」をさんざん叩く番組を仕切り、「庶民」の味
を装って、裏で「原発推進」の講演会に出席しています。

 たまに、「原発事故」が報道されて「庶民」が騒いでも、徹底した原因究明の
ないまま、責任者論に終始し、その間に「庶民」の関心は芸能人の大麻疑惑
や、特捜捜査の献金問題にすり替えられてしまいます。

 無論、彼等の一部は、自らの地位を捨てて、マイナーなメディアから庶民に
訴えてきました。しかし、庶民のほとんどが、「原子力村」が牛耳るマスメデ ィ
アの流す、偽りの情報しか信じませんでした

 どうでしょうか。小生には、革命が起こる前までの、当時のフランスの状況
そのまま
のように感じます。つまり、このままでは「専制君主政治」がどこま
でも続いてゆく
構造だったのです。

 今、未曽有の原発事故が起こり、ようやく「庶民」の一部が、ネットという新
しいメディア
で「地位を捨てた啓蒙者の声」に耳を傾けています。この灯を
二度と消してはいけないのです。必要なのは「庶民の覚醒」です。

 『フランス革命』の最初の一撃は、フリーメーソンに教示されるまでもなく、
まざれもなく窮状に耐えかねた「庶民」の行動から始まっています。
 次回第111夜は、その辺りの話から始めます。


( 追伸 )

 「海水浴場」はドコモ安全とは、笑ってしまいます。単に「全てOK」になるよ
うな基準にしただけのことじゃないですか。問題は水てだけではありません。
セシウムの降り積もった砂浜こそ危険です。こんな時期に海水浴なんて、わ
ざわざ体内被曝を強化しにゆくようなものです。


 中曽根君、責任をとって全ての「海水浴場」を、
原発推進派専用に貸切りたまえ。
皆でセシウムの砂山遊びを楽しんでくれ。

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Secret

プロフィール

工芸美術をやっています。2017年からスペイン語の試験を受けています。が、ドンキホーテはいまだに完読できていません。握力は小学生よりない力なし。ひっそりとこのシャバの片隅でモーニングを食べている凡人です。

るんるうん

Author:るんるうん
またの名はクマネルです。ふしぎなことが好きです。着物も好きです。

たまに、魚を捌きます。猫におしっこをかけられたこともありますし、珍しい体験もあります。

たまに-クッテネル-が記事を書きます。そちらもよろしく。

いつのまにか歳をとりました。

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十二か月の着物

手持ちの着物を月ごとに替えて表示してみました。2015年1月
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