2011.02.08
人間と常識と洗脳
最近、伊藤桂一さんのエッセイなどを読む機会がありました。
軍隊に若い頃入り、中国の戦場などをてんてんとされた方です。
伊藤さんは軍隊にいたというだけあって、おじいさんだと思います。本は図書館で借りました。いつのものかはわかりません。書かれたのももうだいぶ昔だと思います。
伊藤さんのエッセイの中で、軍隊のいじめ、制裁などがひどかった...ということが何度でも出てきます。なにかにつけ、殴るその他の暴力がすさまじく、ある日気を失い、何日か寝て、気づき、その後病気になったら除隊になっていた...なんて書いてありました。
軍隊といえば、かの有名な妖怪漫画家の水木しげる先生も、殴られたりひどい扱いを受けていたらしいです...
昔は軍隊では、上の者の命令は絶対で、上の者は下の者を殴ってもなにをしてもいい...という常識のようなものがあったようですね。今はそんなルールがあったら、おかしいと言えますが、それがおかしくないとされていた時代だったのでしょうか...人を人ともおもわない行動が正当化されていたのです。
でも、それをやっていたのは、普通の人です。それが-是-とされていたから、やっていたのだといえますが、よく考えると、これって非常に怖いことだと思います。
その時代、その場所で、-是-というルールが敷かれたら、なんの疑問も思わず、人をいたぶり、時には殺すこともできる...それがすごく悪い奴というなら納得できますがそのへんの普通の人がそういうことをするのです。
伊藤さんや水木先生を殴り制裁をしていた軍人も、日本に帰ったら、普通の人として、むやみに他人を殴ることもなく暮らしていただろうと思います。
昔、黒人や有色人を売買していた奴隷商人も、-黒人は人間でないから売買してもよい-と勝手な見解をキリスト教会から出してもらいおおっぴらに人買いをしました。
いくら白人でも、おかしいなぁ。と、思う人もいたと思います。しかし、そんな考えはどこかにふきとび、-黒人は人でなくものである-との考えを常識とし、ふっと感じる人間としての良識や、やさしさをはねのけ、教えられた常識に基づいて行動した...その結果奴隷制度をいつのまにか普通の事とかんじるようになる。
また、軍隊でも、人を死ぬほど殴り、制裁しても、教育だという教え、常識が普通だとなると、それをしてもなんにも思わない人が多くなる。なかには、こんなことはおかしいと思う人もいるだろうが、そんなことも感じない人間がでてくる。そして、それがその辺にいる普通のひとなのだ。
そんなことを考えると、人って恐ろしいようです。ある考えを受け入れてしまうと、それが非道なことであっても、正当化し、あたりまえだと思ってしまいます。
これが洗脳なのでしょうか...
人はいろいろな行動をとるとき、迷ったり、考えあぐねたりします。いつまでも右も左も決められない人を見ると-早くどっちかにしろ-とはっぱをかけたくなりますが、ある教え、その時の常識に従うと、なんとなく人間的でないなぁとか、あんまりだ...とか思うことがあります。
優しさや迷いは切り取って、合理的な判断を...なんて迫られることもあります。そんな時私は昔の軍隊の話や奴隷商人の常識を思い出すのです。その時に世間で-よし-とされたことでも、人間として-あんまりだ-とふと思うこと...そんなことがあったら、私は、世間の常識や、はやりの思想にそむいても、血のかよった人間として、物事、人に向かいたいなぁと思っています。
軍隊に若い頃入り、中国の戦場などをてんてんとされた方です。
伊藤さんは軍隊にいたというだけあって、おじいさんだと思います。本は図書館で借りました。いつのものかはわかりません。書かれたのももうだいぶ昔だと思います。
伊藤さんのエッセイの中で、軍隊のいじめ、制裁などがひどかった...ということが何度でも出てきます。なにかにつけ、殴るその他の暴力がすさまじく、ある日気を失い、何日か寝て、気づき、その後病気になったら除隊になっていた...なんて書いてありました。
軍隊といえば、かの有名な妖怪漫画家の水木しげる先生も、殴られたりひどい扱いを受けていたらしいです...
昔は軍隊では、上の者の命令は絶対で、上の者は下の者を殴ってもなにをしてもいい...という常識のようなものがあったようですね。今はそんなルールがあったら、おかしいと言えますが、それがおかしくないとされていた時代だったのでしょうか...人を人ともおもわない行動が正当化されていたのです。
でも、それをやっていたのは、普通の人です。それが-是-とされていたから、やっていたのだといえますが、よく考えると、これって非常に怖いことだと思います。
その時代、その場所で、-是-というルールが敷かれたら、なんの疑問も思わず、人をいたぶり、時には殺すこともできる...それがすごく悪い奴というなら納得できますがそのへんの普通の人がそういうことをするのです。
伊藤さんや水木先生を殴り制裁をしていた軍人も、日本に帰ったら、普通の人として、むやみに他人を殴ることもなく暮らしていただろうと思います。
昔、黒人や有色人を売買していた奴隷商人も、-黒人は人間でないから売買してもよい-と勝手な見解をキリスト教会から出してもらいおおっぴらに人買いをしました。
いくら白人でも、おかしいなぁ。と、思う人もいたと思います。しかし、そんな考えはどこかにふきとび、-黒人は人でなくものである-との考えを常識とし、ふっと感じる人間としての良識や、やさしさをはねのけ、教えられた常識に基づいて行動した...その結果奴隷制度をいつのまにか普通の事とかんじるようになる。
また、軍隊でも、人を死ぬほど殴り、制裁しても、教育だという教え、常識が普通だとなると、それをしてもなんにも思わない人が多くなる。なかには、こんなことはおかしいと思う人もいるだろうが、そんなことも感じない人間がでてくる。そして、それがその辺にいる普通のひとなのだ。
そんなことを考えると、人って恐ろしいようです。ある考えを受け入れてしまうと、それが非道なことであっても、正当化し、あたりまえだと思ってしまいます。
これが洗脳なのでしょうか...
人はいろいろな行動をとるとき、迷ったり、考えあぐねたりします。いつまでも右も左も決められない人を見ると-早くどっちかにしろ-とはっぱをかけたくなりますが、ある教え、その時の常識に従うと、なんとなく人間的でないなぁとか、あんまりだ...とか思うことがあります。
優しさや迷いは切り取って、合理的な判断を...なんて迫られることもあります。そんな時私は昔の軍隊の話や奴隷商人の常識を思い出すのです。その時に世間で-よし-とされたことでも、人間として-あんまりだ-とふと思うこと...そんなことがあったら、私は、世間の常識や、はやりの思想にそむいても、血のかよった人間として、物事、人に向かいたいなぁと思っています。
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