2010.12.09
トンデモ話は奥で繋がる(62) 22.12.9
トンデモ話は奥で繋がる 「第六十二夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。
≪シュメール創世記 ②≫
★ 公式な第3幕
シッチンの著書に入る前に、ウィキペディアの「ティアマト」の説
明文のうち、ちょうど創世記の第3幕のくだりを示している部分を転
載してみます。
『アプスーとティアマトは多くの神々を生んだが、彼らとの生
活が煩わしかったアプスーは、ティアマトに彼らを殺すよう
持ちかけた。
しかし、母なるティアマトはそれを拒み、逆に息子達へアプ
スーの企みを教えて、警告した。 エアは、ティアマトの警告
を聞くと、兄弟姉妹と語らってアプスーを殺してしまった。
ティアマトは太母として敬われたが、やがてエアたちは権威
を欲し、ティアマトに神々の主の座を降りてくれるように願っ
た。この要求はティアマトを激怒させ、使いの神を吊るし上げ
て辱めた上で、返した。
ティアマトの力に恐れをなした神々だが、彼女を怒らせた以
上、退く事も出来なくなってしまった。
さて、孫の世代に当たる神々に、マルドゥク(エアの息子)と
いう勇猛な神がいた。最強の武神たるマルドゥクは、ティア
マトへ宣戦布告する。
ティアマトのほうも、権威の象徴たる「天の石版」をキングー
という神に授け、マルドゥクを迎え撃った。』
<以上、ウィキペディア『ティアマト』の項よりより転載>
これが、公式な神話の解釈なのですが、あくまで「神」として取り扱
っているため、寓話的な感じを禁じえません。また、危険を知らせた
「ティアマト」に対して、「エア」が突然退位を迫るのも不自然です。
★ シッチンの第3幕
それでは、前夜に引き続き、「天の神々」を「惑星」と見立てて読み
進めたシッチンの解釈を見てみましょう。
運命の部屋、運命の場所で 神は生まれた
神々の最も有能で最も賢いもの
深い所の中心でマルドゥクがつくられた
彼を生じさせたのは、エアであった
新しい惑星は、はるか外宇宙の遠く離れたところで作られます。そし
てエア(海王星)に引き付けられて太陽系へと侵入してきたのです。
(ゼカリア・シッチン『人類を創成した宇宙人』p 260《徳間書店(竹内 慧・邦訳)》より転載)
彼の姿は魅惑的な、活気にみちた彼のまなざし
彼の歩きぶりは威厳があった
昔の時代の(…欠落…)のように指揮をする
神々の上に大いに褒め称えられたのは彼である
(…欠落…)にわたって卓越して
彼は神々の最もそびえ立つものであった
彼の高位は並外れていた 彼の手足は巨大だった
彼は非常に背が高かった
遠い宇宙から現れたその惑星は、非常な勢いで接近して来たもの
と推測されます。
彼が唇を動かすと 火が外へ燃え立った
彼ら(太陽系の惑星)は恐ろしいきらめきを
彼(マルドゥク)にどっさり与えた 10の神々の光輪を装った
マルドゥクはまだ生まれたばかりの惑星で、火を噴いて、放射を発し
ていました。他の惑星は、マルドゥクが近づくと、放電現象等を誘発され
たのです。そして、最も外側の海王星(エア)に接近すると、その引力
圏に捉えられ始め、
(マルドゥクの軌道を)その意図によいようにした
まだ形成途上にあったマルドゥクは、その側面を引っ張られ、
2番目の頭(が形成された)
この時点では、塊はまだ一体化していましたが、続いて天王星(アヌ)
の引力圏に捉えられると、
アヌが4つの側面をふくらませて形作り、
この群のリーダーにその力を引き渡した
この4つの塊が、後にマルドゥクの「武器」として力を発揮することにな
りますが、生身の「神」と考えてしまうと、自分の体で武器を作るのは少
々異様です。
マルドゥクが形成中の惑星であれば、アヌ(天王星)の引力を受けて、
そこから4つの衛星が分離したという、極めてわかりやすい説明ができ
ます。
★ ティアマトの怪物
その後、マルドゥクは、土星(アンシャール)や木星(キシャール)の
引力も受けて、進路を太陽系の中心部へと向けてゆきます。そのため
ティアマトと内惑星もマルドゥクの重力場の影響を受け始めます。
彼(マルドゥク)は流れを作り出し、ティアマトを乱した
神々は休息できず、嵐の中にいるようにもみくちゃにされた
(ティアマトは)自ら(を)切り離し
怪物がティアマトの側で行進した
神話では、ここでティアマトの真ん中から11の「怪物」を生み出したと
記されています。彼女が生み出した怪物とは、
ムシュマッフ 7つの頭のドラゴン
ウシュムガルル 狂暴な竜たち
バシュム 毒蛇
ムシュフシュ 怒れる蛇
ラフム 巻き毛の男
ウガルル 巨大なライオン
ウリディンム 狂犬
ギルタブルルー サソリ人間
ウームー・ダブルートゥ 嵐の魔物
クルッル 魚人間
クサリク 有翼の牡牛
「巻き毛の男」や「魚人間」なんて、どう戦うのでしょうか。やはり寓話的
な発想となってしまいます。第一、いままで神としていたものから、そんな
ものが現れるなんて神としての本質を疑ってしまいます。
実際には、マルドゥクと同様、惑星の一部が引きはがされ、11個の衛
星が飛び出したものと、シッチンは推定しています。その中の主たる衛星
が「キングウ」と呼ばれています。
彼女のために徒党を組んだ神々の長男
彼女はキングウを褒め称えた
それらの真ん中で彼女は、彼を非常に(…欠落…)つくった
この戦いの最高指揮を 彼女は彼の手に委任した
これらの衛星は、他の神々(惑星)にとっても、衝突すればかなりのダメ
ージを受けることになります。この事態を、エア(海王星)はアンシャール
(土星)に向かって、問いかけ、アンシャールはこう答えます。
全てティアマトが企んだのだ、彼は繰り返した
「彼女は激怒して徒党を組ませて猛威をふるう
彼女は類まれな武器を加え、怪物-神々を生んだ
そのうえ彼女はこのようなものを11も生んだ
彼女の徒党を形づくった神々の中から
彼女は彼女の長男キングウを最高(…欠落…)にした
彼女は彼に運命の平板を与え、
彼の胸のそれをしっかり結びつけた」
★ 勇者マルドゥク
アンシャール(土星)は、エア(海王星)に、彼がキングウを殺しにゆ
くかを訪ねますが、返事がありません。アヌ(天王星)にも声を掛けます
が、アヌはティアマトに手向かいできず、引き返してしまいます。
マルドゥクは既にアンシャールの近くまでやってきていました。そこで
彼は、あるアイディアを思いつきます。彼はマルドゥクに呼びかけます。
「勢力のある彼は、我々の復讐者である
戦いに強い彼、勇者、マルドゥクよ!」
マルドゥクは答えます。
「私が確かにあなたの復讐者ならば、
ティアマトを征服し、あなたたちを救う
私に最高の運命を与えるために集会を開きなさい!」
新参の惑星であるマルドゥクにとって、彼の求める「最高の運命」とは、
太陽系の中に彼の最高の軌道を確保することと解釈できます。アンシャ
ールは伝令役として、彼の衛星ガガに言います。
アンシャールが、彼の口を開いた
彼の参事官ガガに、彼が(…欠落…)について演説した言葉
「おまえの道にいきなさい、ガガ 神々の前に対抗するのだ
そして私が、おまえに話すごとく
おまえは彼らに繰り返しなさい」
カガ(後の冥王星)は外側に飛ばされ、他の神々(惑星)を通過する度
に、こう促します。
「マルドゥクのためにあなたの天意を決定しなさい」
神々はこう叫びます、
「マルドゥクが、王である。
行って、ティアマトの生命を断ち切りなさい!」
こうして物語は、ティアマトとマルドゥクの一騎打ちへと、突き進んでゆき
ます。一方、冥王星は現在の軌道へと飛ばされます。そのため、その軌道
はティティウス・ボーデの法則から外れ、軌道角度も17度のずれがある
というのがシッチンの説です。
いよいよ次回第六十三夜は、創世記のクライマックスの第4幕へと
進んでゆきます。
目次のペーシへはこちらから
-弟子のクッテネルがお送りします。
≪シュメール創世記 ②≫
★ 公式な第3幕
シッチンの著書に入る前に、ウィキペディアの「ティアマト」の説
明文のうち、ちょうど創世記の第3幕のくだりを示している部分を転
載してみます。
『アプスーとティアマトは多くの神々を生んだが、彼らとの生
活が煩わしかったアプスーは、ティアマトに彼らを殺すよう
持ちかけた。
しかし、母なるティアマトはそれを拒み、逆に息子達へアプ
スーの企みを教えて、警告した。 エアは、ティアマトの警告
を聞くと、兄弟姉妹と語らってアプスーを殺してしまった。
ティアマトは太母として敬われたが、やがてエアたちは権威
を欲し、ティアマトに神々の主の座を降りてくれるように願っ
た。この要求はティアマトを激怒させ、使いの神を吊るし上げ
て辱めた上で、返した。
ティアマトの力に恐れをなした神々だが、彼女を怒らせた以
上、退く事も出来なくなってしまった。
さて、孫の世代に当たる神々に、マルドゥク(エアの息子)と
いう勇猛な神がいた。最強の武神たるマルドゥクは、ティア
マトへ宣戦布告する。
ティアマトのほうも、権威の象徴たる「天の石版」をキングー
という神に授け、マルドゥクを迎え撃った。』
<以上、ウィキペディア『ティアマト』の項よりより転載>
これが、公式な神話の解釈なのですが、あくまで「神」として取り扱
っているため、寓話的な感じを禁じえません。また、危険を知らせた
「ティアマト」に対して、「エア」が突然退位を迫るのも不自然です。
★ シッチンの第3幕
それでは、前夜に引き続き、「天の神々」を「惑星」と見立てて読み
進めたシッチンの解釈を見てみましょう。
運命の部屋、運命の場所で 神は生まれた
神々の最も有能で最も賢いもの
深い所の中心でマルドゥクがつくられた
彼を生じさせたのは、エアであった
新しい惑星は、はるか外宇宙の遠く離れたところで作られます。そし
てエア(海王星)に引き付けられて太陽系へと侵入してきたのです。

(ゼカリア・シッチン『人類を創成した宇宙人』p 260《徳間書店(竹内 慧・邦訳)》より転載)
彼の姿は魅惑的な、活気にみちた彼のまなざし
彼の歩きぶりは威厳があった
昔の時代の(…欠落…)のように指揮をする
神々の上に大いに褒め称えられたのは彼である
(…欠落…)にわたって卓越して
彼は神々の最もそびえ立つものであった
彼の高位は並外れていた 彼の手足は巨大だった
彼は非常に背が高かった
遠い宇宙から現れたその惑星は、非常な勢いで接近して来たもの
と推測されます。
彼が唇を動かすと 火が外へ燃え立った
彼ら(太陽系の惑星)は恐ろしいきらめきを
彼(マルドゥク)にどっさり与えた 10の神々の光輪を装った
マルドゥクはまだ生まれたばかりの惑星で、火を噴いて、放射を発し
ていました。他の惑星は、マルドゥクが近づくと、放電現象等を誘発され
たのです。そして、最も外側の海王星(エア)に接近すると、その引力
圏に捉えられ始め、
(マルドゥクの軌道を)その意図によいようにした
まだ形成途上にあったマルドゥクは、その側面を引っ張られ、
2番目の頭(が形成された)
この時点では、塊はまだ一体化していましたが、続いて天王星(アヌ)
の引力圏に捉えられると、
アヌが4つの側面をふくらませて形作り、
この群のリーダーにその力を引き渡した
この4つの塊が、後にマルドゥクの「武器」として力を発揮することにな
りますが、生身の「神」と考えてしまうと、自分の体で武器を作るのは少
々異様です。
マルドゥクが形成中の惑星であれば、アヌ(天王星)の引力を受けて、
そこから4つの衛星が分離したという、極めてわかりやすい説明ができ
ます。
★ ティアマトの怪物
その後、マルドゥクは、土星(アンシャール)や木星(キシャール)の
引力も受けて、進路を太陽系の中心部へと向けてゆきます。そのため
ティアマトと内惑星もマルドゥクの重力場の影響を受け始めます。
彼(マルドゥク)は流れを作り出し、ティアマトを乱した
神々は休息できず、嵐の中にいるようにもみくちゃにされた
(ティアマトは)自ら(を)切り離し
怪物がティアマトの側で行進した
神話では、ここでティアマトの真ん中から11の「怪物」を生み出したと
記されています。彼女が生み出した怪物とは、
ムシュマッフ 7つの頭のドラゴン
ウシュムガルル 狂暴な竜たち
バシュム 毒蛇
ムシュフシュ 怒れる蛇
ラフム 巻き毛の男
ウガルル 巨大なライオン
ウリディンム 狂犬
ギルタブルルー サソリ人間
ウームー・ダブルートゥ 嵐の魔物
クルッル 魚人間
クサリク 有翼の牡牛
「巻き毛の男」や「魚人間」なんて、どう戦うのでしょうか。やはり寓話的
な発想となってしまいます。第一、いままで神としていたものから、そんな
ものが現れるなんて神としての本質を疑ってしまいます。
実際には、マルドゥクと同様、惑星の一部が引きはがされ、11個の衛
星が飛び出したものと、シッチンは推定しています。その中の主たる衛星
が「キングウ」と呼ばれています。
彼女のために徒党を組んだ神々の長男
彼女はキングウを褒め称えた
それらの真ん中で彼女は、彼を非常に(…欠落…)つくった
この戦いの最高指揮を 彼女は彼の手に委任した
これらの衛星は、他の神々(惑星)にとっても、衝突すればかなりのダメ
ージを受けることになります。この事態を、エア(海王星)はアンシャール
(土星)に向かって、問いかけ、アンシャールはこう答えます。
全てティアマトが企んだのだ、彼は繰り返した
「彼女は激怒して徒党を組ませて猛威をふるう
彼女は類まれな武器を加え、怪物-神々を生んだ
そのうえ彼女はこのようなものを11も生んだ
彼女の徒党を形づくった神々の中から
彼女は彼女の長男キングウを最高(…欠落…)にした
彼女は彼に運命の平板を与え、
彼の胸のそれをしっかり結びつけた」
★ 勇者マルドゥク
アンシャール(土星)は、エア(海王星)に、彼がキングウを殺しにゆ
くかを訪ねますが、返事がありません。アヌ(天王星)にも声を掛けます
が、アヌはティアマトに手向かいできず、引き返してしまいます。
マルドゥクは既にアンシャールの近くまでやってきていました。そこで
彼は、あるアイディアを思いつきます。彼はマルドゥクに呼びかけます。
「勢力のある彼は、我々の復讐者である
戦いに強い彼、勇者、マルドゥクよ!」
マルドゥクは答えます。
「私が確かにあなたの復讐者ならば、
ティアマトを征服し、あなたたちを救う
私に最高の運命を与えるために集会を開きなさい!」
新参の惑星であるマルドゥクにとって、彼の求める「最高の運命」とは、
太陽系の中に彼の最高の軌道を確保することと解釈できます。アンシャ
ールは伝令役として、彼の衛星ガガに言います。
アンシャールが、彼の口を開いた
彼の参事官ガガに、彼が(…欠落…)について演説した言葉
「おまえの道にいきなさい、ガガ 神々の前に対抗するのだ
そして私が、おまえに話すごとく
おまえは彼らに繰り返しなさい」
カガ(後の冥王星)は外側に飛ばされ、他の神々(惑星)を通過する度
に、こう促します。
「マルドゥクのためにあなたの天意を決定しなさい」
神々はこう叫びます、
「マルドゥクが、王である。
行って、ティアマトの生命を断ち切りなさい!」
こうして物語は、ティアマトとマルドゥクの一騎打ちへと、突き進んでゆき
ます。一方、冥王星は現在の軌道へと飛ばされます。そのため、その軌道
はティティウス・ボーデの法則から外れ、軌道角度も17度のずれがある
というのがシッチンの説です。
いよいよ次回第六十三夜は、創世記のクライマックスの第4幕へと
進んでゆきます。
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