2010.04.06
トンデモ話は奥で繋がる(21) 22.4.6
トンデモ話は奥で繋がる 「第二十一夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。
≪スピリチュアリズムの「正統性」とは⑧≫
★ 前身的番組『えぐら開運堂』
さて、「心の道場」の批判を検討する前に、「江原氏」がまだゴール
デン・タイムに出ていなかった頃の番組『えぐら開運堂』について触れ
ておこうと思います。
この番組は、テレビ東京系列で金曜日の深夜0時12分頃から、スポーツ
情報番組の「スポパラ」内に、45分間程挿入されていたミニ番組で、平成
15年10月から17年9月までオンエアされていました。
(番組タイトル名は、司会進行役の「名倉潤」(ネプチューン)の「なぐら」
と「えはら」を合体させたのものです)
基本的に、40代前後までの女性を対象に、男女関係や家庭環境について
の悩み相談を受け、現状の問題の基となっている問題点について、江原氏
が彼女達の「守護霊」から受け取ったメッセージや、霊障の有無について
のカウンセリングを行うスタイルを取っていました。
一説には、この番組については、日常生活の中で、守護霊等が果たして
いる役割について、正しく理解してもらおうという、「丹波哲郎氏」の個人
的なバックアップもあったとされます。
番組では、とかく「霊障」ではないかと相談にやって来る依頼者に対し、
本物の「被憑依者」は極わずかで、半数以上は「自分自身の生活態度」を
改めるべきとの「守護霊」からのメッセージを伝え、時には「被害者」と
思っている相談者こそ、現在の状況を生み出した原因者であるとの診断も
下されていました。
また、「被憑依者」についても、そうした霊を惹き付ける原因そのもの
は本人にあり、その場で「除霊」を行っても、現在の生活態度を改めない
限り、また同じような霊の憑依に悩まされるとの忠告が、ほぼ毎回のよう
にされています。
小生は、この番組を知った頃から、毎回ビデオ録画をして見ておりまし
たが、その診断内容については概ね共感のもてる内容でした。
ただし、依頼者については、「霊障」と決め込んでやって来る相談者が
ほとんどで、番組の後期には、依頼者の生活態度に問題がある、本人自ら
がそれに気づく必要があると「守護霊」が思っている場合は、霊的なメッ
セージそのものも伝えないケースが多くなっていました。
江原氏自身も、相談者の多くが「霊障」ではないかとの思い込みばかり
で、「生活態度」を変えるべきとの守護霊のメッセージを伝えても、(その
後の状態を彼が霊視すると)ほとんど省みられていない現実に悩み、個々人
に対するカウンセリング方式を中止して、現世と霊界のつながりを、広く
一般に理解してもらうことを優先する方針に切り替えたとしています。
★ 『オーラの泉』の限界
その試みのひとつが 『オーラの泉』 であり、広く大衆に知られた著名人
の現世での出来事を取り上げ、その霊的な意味を解き明かすことによって、
人生の霊的な意味の実例を示そうとしたのだと思います。
開始当初は、ゴールデン・タイムではなく、深夜の放映(小生が知ったの
は、水曜日PM11:35始まりとなった17年10月から)で、特に「宇梶剛士」、
「森公美子」、「奥田瑛二」、「須藤元気」、「船越英一郎」等の出演時に
は、"現世でのさまざまな出会いには、霊的な意味がある"というコンセプト
がしっかりと感じられるものとなっていました。
ここでの高視聴率をバックに、19年4月からはゴールデン・タイムへと進
出します。しかし、それと前後するように、「全国霊感商法対策弁護士連
絡会」から、"番組の放送内容が霊感商法の被害に遭う危険性"を持っている
とのクレームが付き、番組の最後に
『「前世」、「守護霊」は現在の科学で証明されたものではありません。
人生をよりよく生きる、ひとつのヒントです』
というテロップの表示がなされ、番組の内容も、出演者の「オーラの状態」
や「前世の内容」の霊視結果を語ることが少なくなるとともに、出演者につ
いても、後続の番組の「前宣伝」として、その主役等が選ばれる傾向が強く
なり、当初の目的とは程遠い、『徹子の部屋』的なトーク番組とあまり変ら
なくなっていまったため、小生もの興味も次第に薄れ、チャンネルを合わせ
なくなっていました。
やがて一般の視聴率も徐々に低下し、21年3月で、レギュラー放送が終了
されます。
結局のところ、日本民間放送連盟が定める放送基準の第8章に当たる『非科
学的なことを取り上げる場合は、肯定的に取り扱わない』というルールに翻
弄され、最終的にはテレビ局の利益にかなった番組スタイルに変えられてし
まい、本来の目的を果たせなくなった感があります。スピリチュアル的なも
のの普及活動を、テレビを通じて行うことの限界を垣間見る結末でした。
★ 『天国からの手紙』も同じ運命に
江原氏のもう一つの冠番組であった 『天国からの手紙』 は、2時間のスペシ
ャル番組として16年からスタートし、亡くした人からのメッセージを受け取
りたいという視聴者の要望に答える形で、選ばれた数組の遺族のもとを訪れ、
亡き人の霊視及びそのメッセージを伝えるものでした。
こちらの方も、当初から懐疑的な批判が数多くなされ、"やらせ報道"がい
くつもの週刊誌を賑わせていました。"お盆"と"クリスマス"という時期に合
わせ年2回の放送となっていましたが、「霊現象」そのものを肯定しない限り
成立しない内容であったためか、19年の12月に第10回の放送を最後に『オー
ラの泉』より先に打ち切られています。
そして、「心の道場」はこの双方の番組に対しての批判を、20年1月及び4
月に掲載しています。次回第二十二夜で、その内容に入りたいと思います。
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-弟子のクッテネルがお送りします。
≪スピリチュアリズムの「正統性」とは⑧≫
★ 前身的番組『えぐら開運堂』
さて、「心の道場」の批判を検討する前に、「江原氏」がまだゴール
デン・タイムに出ていなかった頃の番組『えぐら開運堂』について触れ
ておこうと思います。
この番組は、テレビ東京系列で金曜日の深夜0時12分頃から、スポーツ
情報番組の「スポパラ」内に、45分間程挿入されていたミニ番組で、平成
15年10月から17年9月までオンエアされていました。
(番組タイトル名は、司会進行役の「名倉潤」(ネプチューン)の「なぐら」
と「えはら」を合体させたのものです)
基本的に、40代前後までの女性を対象に、男女関係や家庭環境について
の悩み相談を受け、現状の問題の基となっている問題点について、江原氏
が彼女達の「守護霊」から受け取ったメッセージや、霊障の有無について
のカウンセリングを行うスタイルを取っていました。
一説には、この番組については、日常生活の中で、守護霊等が果たして
いる役割について、正しく理解してもらおうという、「丹波哲郎氏」の個人
的なバックアップもあったとされます。
番組では、とかく「霊障」ではないかと相談にやって来る依頼者に対し、
本物の「被憑依者」は極わずかで、半数以上は「自分自身の生活態度」を
改めるべきとの「守護霊」からのメッセージを伝え、時には「被害者」と
思っている相談者こそ、現在の状況を生み出した原因者であるとの診断も
下されていました。
また、「被憑依者」についても、そうした霊を惹き付ける原因そのもの
は本人にあり、その場で「除霊」を行っても、現在の生活態度を改めない
限り、また同じような霊の憑依に悩まされるとの忠告が、ほぼ毎回のよう
にされています。
小生は、この番組を知った頃から、毎回ビデオ録画をして見ておりまし
たが、その診断内容については概ね共感のもてる内容でした。
ただし、依頼者については、「霊障」と決め込んでやって来る相談者が
ほとんどで、番組の後期には、依頼者の生活態度に問題がある、本人自ら
がそれに気づく必要があると「守護霊」が思っている場合は、霊的なメッ
セージそのものも伝えないケースが多くなっていました。
江原氏自身も、相談者の多くが「霊障」ではないかとの思い込みばかり
で、「生活態度」を変えるべきとの守護霊のメッセージを伝えても、(その
後の状態を彼が霊視すると)ほとんど省みられていない現実に悩み、個々人
に対するカウンセリング方式を中止して、現世と霊界のつながりを、広く
一般に理解してもらうことを優先する方針に切り替えたとしています。
★ 『オーラの泉』の限界
その試みのひとつが 『オーラの泉』 であり、広く大衆に知られた著名人
の現世での出来事を取り上げ、その霊的な意味を解き明かすことによって、
人生の霊的な意味の実例を示そうとしたのだと思います。
開始当初は、ゴールデン・タイムではなく、深夜の放映(小生が知ったの
は、水曜日PM11:35始まりとなった17年10月から)で、特に「宇梶剛士」、
「森公美子」、「奥田瑛二」、「須藤元気」、「船越英一郎」等の出演時に
は、"現世でのさまざまな出会いには、霊的な意味がある"というコンセプト
がしっかりと感じられるものとなっていました。
ここでの高視聴率をバックに、19年4月からはゴールデン・タイムへと進
出します。しかし、それと前後するように、「全国霊感商法対策弁護士連
絡会」から、"番組の放送内容が霊感商法の被害に遭う危険性"を持っている
とのクレームが付き、番組の最後に
『「前世」、「守護霊」は現在の科学で証明されたものではありません。
人生をよりよく生きる、ひとつのヒントです』
というテロップの表示がなされ、番組の内容も、出演者の「オーラの状態」
や「前世の内容」の霊視結果を語ることが少なくなるとともに、出演者につ
いても、後続の番組の「前宣伝」として、その主役等が選ばれる傾向が強く
なり、当初の目的とは程遠い、『徹子の部屋』的なトーク番組とあまり変ら
なくなっていまったため、小生もの興味も次第に薄れ、チャンネルを合わせ
なくなっていました。
やがて一般の視聴率も徐々に低下し、21年3月で、レギュラー放送が終了
されます。
結局のところ、日本民間放送連盟が定める放送基準の第8章に当たる『非科
学的なことを取り上げる場合は、肯定的に取り扱わない』というルールに翻
弄され、最終的にはテレビ局の利益にかなった番組スタイルに変えられてし
まい、本来の目的を果たせなくなった感があります。スピリチュアル的なも
のの普及活動を、テレビを通じて行うことの限界を垣間見る結末でした。
★ 『天国からの手紙』も同じ運命に
江原氏のもう一つの冠番組であった 『天国からの手紙』 は、2時間のスペシ
ャル番組として16年からスタートし、亡くした人からのメッセージを受け取
りたいという視聴者の要望に答える形で、選ばれた数組の遺族のもとを訪れ、
亡き人の霊視及びそのメッセージを伝えるものでした。
こちらの方も、当初から懐疑的な批判が数多くなされ、"やらせ報道"がい
くつもの週刊誌を賑わせていました。"お盆"と"クリスマス"という時期に合
わせ年2回の放送となっていましたが、「霊現象」そのものを肯定しない限り
成立しない内容であったためか、19年の12月に第10回の放送を最後に『オー
ラの泉』より先に打ち切られています。
そして、「心の道場」はこの双方の番組に対しての批判を、20年1月及び4
月に掲載しています。次回第二十二夜で、その内容に入りたいと思います。
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