2012.09.30
トンデモ話は奥で繋がる(176) 24.9.30
トンデモ話は奥で繋がる 「第176夜」
-弟子のクッテネルがお送りします。
≪ルシファーとアーリマン ①≫
★ シュタイナー本躍進?
思えば、ほんの10年程昔には、各書棚のジャンルに『精神世
界』に類するようなコーナーを設けている書店は、ほんの僅かし
かありませんでした。
それが数年前からは、割合小さな書店でさえ、その手のコーナ
ーがある程、売れ筋本の一角を占めていますが、そんな中でも
『シュタイナー』に関する本は滅多にありませんでした。
ところが、ここ数ヶ月の間に、従来の『シュタイナー』自身による
講義集の貴重な復刻版や、彼の思想を解説した関連本を多数
目にするようになりました。
小生としては、もちろん喜ばしい限りですが、できれば感覚的
な『ツイッター読み』では無く、深く内容を読み込んでくれる読者
が多くなることを願うばかりです。
そんな書物の一つが、東北大震災―福島
原発事故の後、昨年9月に刊行された『シュ
タイナー 天地の未来 地震・火山・戦争』
(西川 隆範訳 閏月社)です。
今回の地震・津波に関しては、アセンション
の前兆と見るチャネラーから、闇の勢力の仕
掛けた『人工地震説』まで、様々な憶測が乱
れ飛んでいます。
そんな中、西川氏が急遽出された当書は、地震の霊的な意
味と、震災で夭折する魂の転生についてシュタイナーが語って
いる部分を抜粋したもので、とりわけ異彩を放っています。
ただし、西川氏の手による訳本は、シュタイナーの言わんとす
る所を、的確な言葉で表現しているのですが、正直な所、それ
に対する、その意味を理解するのはかなりの困難 解説が少なく
さを伴います。
今回のこの一冊も、非常にタイムリーではあるのですが、とも
すれば、光と闇の戦いの一部として、短絡的に捉えられてしま
うのでは無いかと危惧する思いもあります。
★ ルシファーがいなければ…
しかし、このブログをここまで書き進めていた小生(と少数の読
者)にとっては、まさにシンクロニシティな一冊です。以下、小生
の理解する範囲で紹介してゆこうと思います。
出だしの部分は、前夜では詳しく述べられていなかった、ルシ
ファーと人間との関わりについて、まさに聞き足りなかった部分
の説明を補うような内容となっています。
「 ルシファーがいつ人間に接触したか、私達は知っ
ています。私達は地上での人間の進化を研究して
来ました。
太陽が太陽存在達と共に分離した時代、そして、
人間にさらなる進化を不可能にした力を備えた月が、
地球から分離した時代がやってきました。
人間が、アストラル体に独立性を得るほど成熟し
ていなかった時代に、ルシファーとその手下達が人
間に近づいて来て、
その結果、人間は疑うようになりました。
…もし、ルシファーが人間に接近していなかったら、
人間は害から守られていたでしょうが、人間の最高
の宝物にも到達していなかったでしょう。
…人間はアトランティス時代中期まで、アストラル
体のあらゆる衝動・動機が、人間の上に立つ霊的存
在達の影響に従う存在であるように進化していたで
しょう。
…それらの存在が、人間をアトランティス時代中期
まで導いていたことでしょう。
そうなっていたら、人間は知覚能力・認識能力を、
ずっと後になってから感覚世界に向けていたことで
しょう。
レムリア時代とアトランティス時代において、感覚
知覚から情動・欲望が人間に生じることは無かった
でしょう。
そして、人間が行うこと全てが、人間に植えつけら
れた高次の霊的存在の衝動に従ったものになって
いたでしょう。
人間のあらゆる企ての元になっている、今日の高
等動物のごとき本能は存在せず、精神化された本能
があったことでしょう。
しかし、ルシファーの影響下に、人間は早々と、
『 これは私を喜ばせる。これは私を惹きつける。
それは私に反感を持たせる 』
と言うようになりました。
人間は早まって自らの衝動に従い、独立した存在
になり、自分の中で自由を発展させました。こうして、
人間は精神世界から離れました。
明瞭に表現したいのなら、
『 ルシファーの影響がなかったら、人間は精神化
された動物に留まっていただろう。
その動物は、ルシファーの影響下に人間が発展
させた姿よりも、高貴で美しい姿に進化していた
だろう。 』
という事ができます。
レムリア時代にルシファーの影響がなかったら、人
間はもっとずっと天使的であったことでしょう。
しかし人間は、高次の存在達によって歩行訓練用
の紐で導かれるようであったことでしょう。
そして、アトランティス時代中期に、何かが人間に
到来したことでしょう。
人間の目は完全に開かれ、人間の周りに物質的・
感覚的世界全体が出現したことでしょう。
人間はあらゆる物体の背後に神的・霊的なもの、
神的・霊的な世界を知覚していたことでしょう。
自分が現れ出て来た神的な母体を振り返って、自
分のを照らす光の神々、自分を指揮・指導する神々
を見たら、
自分の前に完全に明瞭に認識できる感覚界が広が
っていたことでしょう。
…人間は高次の霊的・神的存在達の手中に留まる
子どもであったことでしょう。人間の心魂は、独立して
いなかったでしょう。」
(シュタイナー『天地の未来 地震・火山・戦争』pp17-19
《閏月社(西川隆範訳)》より抜粋転載)
★ ルシファーの担う役割
愚鈍の身なる小生は、シュタイナーの述べるこの世界像を、完全
にありのまま受けとめられる程の段階には、到底至っておりません。
しかし、その根底に流れている、
『 この世に生起したものには、不必要なものは一切無く、
何物にも正悪の区別は無く、何らかの役割を持つ 』
という考え方には、抗し難い魅力を感じます。
そしてこれこそが、小生の直感の書棚をして、『真実』を名乗るあ
らゆる言葉の中で、彼の言葉を筆頭に掲げさせている源泉でもあ
ります。
このルシファー像こそは、その最たるものの一つでしょう。 彼は
人間の進化に必要な贈り物を与える役割を果たしました。
もし、ルシファーの贈り物が無かったならば、人間は感覚世
界からはしばらく遠ざけられ、精神世界をありのままに見て、天
使達をそのまま模倣するイイ子ちゃんになれたとされます。
その『模倣人形』は確かに天使と同じ形姿となり、天使と同じ
振る舞いをします。しかし天使達と違って、自分の意思を持っ
てそうしているのではありません。
もし、見習うべき天使が間違った行動をしても、『模倣人形』
はそのまま真似てしまいます。現に、ルシファー達のような、他
の天使達とは相容れない行動をする天使もいます。
以前にお話ししたように、唯一絶対なる『神』があり、彼が自分自
身を知るために、彼に似せた生命を創ったとしたなら、彼はその
ような、天使の『模倣人形』ができることを望むでしょうか。
それは、彼にとって、見ていて直ぐに飽きてしまうロボットに過
ぎません。ましてや、かつて自分が創造した天使達の言う通り
に動くのが『自分自身』だなどとは思いたくもないでしょう。
とすれば、ルシファーが現れたことも、或る意味で『神』の意思
だったと言うことができるでしょう。ただルシファー自身は、それが
『神』の意思だとは思っていないだけです。
ルシファーの影響のない世界は、一見すると、天使とともに歩
むような、素晴らしく光輝いた世界に見えます。しかし、ルシファ
ーの贈り物無しの我々は、ただ天使のマネをしているだけになる
のです。
この辺りは、現在の一部のスピリチュアリズムにも当てはまる部分
です。「私は天使から啓示を受けた。だからあなたは私の言うこ
と、行うことをそのまま実行しなさい」という例がよくあります。
しかし、カリスマ的なリーダーの一句―挙動をただ崇め、言葉
や行動をただマネているだけでは、単なる操り人形に過ぎず、
自分自身の魂の進化にはつながりません。
こうして我々は、退屈な『模倣人形』になることから逃れまし
た。続きは次回第177夜でお話しします。
( 追伸 )
中曽根君、君に限っては『不必要』だった
かも知れないね。
目次のペーシへはこちらから
-弟子のクッテネルがお送りします。
≪ルシファーとアーリマン ①≫
★ シュタイナー本躍進?
思えば、ほんの10年程昔には、各書棚のジャンルに『精神世
界』に類するようなコーナーを設けている書店は、ほんの僅かし
かありませんでした。
それが数年前からは、割合小さな書店でさえ、その手のコーナ
ーがある程、売れ筋本の一角を占めていますが、そんな中でも
『シュタイナー』に関する本は滅多にありませんでした。
ところが、ここ数ヶ月の間に、従来の『シュタイナー』自身による
講義集の貴重な復刻版や、彼の思想を解説した関連本を多数
目にするようになりました。
小生としては、もちろん喜ばしい限りですが、できれば感覚的
な『ツイッター読み』では無く、深く内容を読み込んでくれる読者
が多くなることを願うばかりです。

原発事故の後、昨年9月に刊行された『シュ
タイナー 天地の未来 地震・火山・戦争』
(西川 隆範訳 閏月社)です。
今回の地震・津波に関しては、アセンション
の前兆と見るチャネラーから、闇の勢力の仕
掛けた『人工地震説』まで、様々な憶測が乱
れ飛んでいます。
そんな中、西川氏が急遽出された当書は、地震の霊的な意
味と、震災で夭折する魂の転生についてシュタイナーが語って
いる部分を抜粋したもので、とりわけ異彩を放っています。
ただし、西川氏の手による訳本は、シュタイナーの言わんとす
る所を、的確な言葉で表現しているのですが、正直な所、それ
に対する、その意味を理解するのはかなりの困難 解説が少なく
さを伴います。
今回のこの一冊も、非常にタイムリーではあるのですが、とも
すれば、光と闇の戦いの一部として、短絡的に捉えられてしま
うのでは無いかと危惧する思いもあります。
★ ルシファーがいなければ…
しかし、このブログをここまで書き進めていた小生(と少数の読
者)にとっては、まさにシンクロニシティな一冊です。以下、小生
の理解する範囲で紹介してゆこうと思います。
出だしの部分は、前夜では詳しく述べられていなかった、ルシ
ファーと人間との関わりについて、まさに聞き足りなかった部分
の説明を補うような内容となっています。
「 ルシファーがいつ人間に接触したか、私達は知っ
ています。私達は地上での人間の進化を研究して
来ました。
太陽が太陽存在達と共に分離した時代、そして、
人間にさらなる進化を不可能にした力を備えた月が、
地球から分離した時代がやってきました。
人間が、アストラル体に独立性を得るほど成熟し
ていなかった時代に、ルシファーとその手下達が人
間に近づいて来て、
その結果、人間は疑うようになりました。
…もし、ルシファーが人間に接近していなかったら、
人間は害から守られていたでしょうが、人間の最高
の宝物にも到達していなかったでしょう。
…人間はアトランティス時代中期まで、アストラル
体のあらゆる衝動・動機が、人間の上に立つ霊的存
在達の影響に従う存在であるように進化していたで
しょう。
…それらの存在が、人間をアトランティス時代中期
まで導いていたことでしょう。
そうなっていたら、人間は知覚能力・認識能力を、
ずっと後になってから感覚世界に向けていたことで
しょう。
レムリア時代とアトランティス時代において、感覚
知覚から情動・欲望が人間に生じることは無かった
でしょう。
そして、人間が行うこと全てが、人間に植えつけら
れた高次の霊的存在の衝動に従ったものになって
いたでしょう。
人間のあらゆる企ての元になっている、今日の高
等動物のごとき本能は存在せず、精神化された本能
があったことでしょう。
しかし、ルシファーの影響下に、人間は早々と、
『 これは私を喜ばせる。これは私を惹きつける。
それは私に反感を持たせる 』
と言うようになりました。
人間は早まって自らの衝動に従い、独立した存在
になり、自分の中で自由を発展させました。こうして、
人間は精神世界から離れました。
明瞭に表現したいのなら、
『 ルシファーの影響がなかったら、人間は精神化
された動物に留まっていただろう。
その動物は、ルシファーの影響下に人間が発展
させた姿よりも、高貴で美しい姿に進化していた
だろう。 』
という事ができます。
レムリア時代にルシファーの影響がなかったら、人
間はもっとずっと天使的であったことでしょう。
しかし人間は、高次の存在達によって歩行訓練用
の紐で導かれるようであったことでしょう。
そして、アトランティス時代中期に、何かが人間に
到来したことでしょう。
人間の目は完全に開かれ、人間の周りに物質的・
感覚的世界全体が出現したことでしょう。
人間はあらゆる物体の背後に神的・霊的なもの、
神的・霊的な世界を知覚していたことでしょう。
自分が現れ出て来た神的な母体を振り返って、自
分のを照らす光の神々、自分を指揮・指導する神々
を見たら、
自分の前に完全に明瞭に認識できる感覚界が広が
っていたことでしょう。
…人間は高次の霊的・神的存在達の手中に留まる
子どもであったことでしょう。人間の心魂は、独立して
いなかったでしょう。」
(シュタイナー『天地の未来 地震・火山・戦争』pp17-19
《閏月社(西川隆範訳)》より抜粋転載)
★ ルシファーの担う役割
愚鈍の身なる小生は、シュタイナーの述べるこの世界像を、完全
にありのまま受けとめられる程の段階には、到底至っておりません。
しかし、その根底に流れている、
『 この世に生起したものには、不必要なものは一切無く、
何物にも正悪の区別は無く、何らかの役割を持つ 』
という考え方には、抗し難い魅力を感じます。
そしてこれこそが、小生の直感の書棚をして、『真実』を名乗るあ
らゆる言葉の中で、彼の言葉を筆頭に掲げさせている源泉でもあ
ります。
このルシファー像こそは、その最たるものの一つでしょう。 彼は
人間の進化に必要な贈り物を与える役割を果たしました。
もし、ルシファーの贈り物が無かったならば、人間は感覚世
界からはしばらく遠ざけられ、精神世界をありのままに見て、天
使達をそのまま模倣するイイ子ちゃんになれたとされます。
その『模倣人形』は確かに天使と同じ形姿となり、天使と同じ
振る舞いをします。しかし天使達と違って、自分の意思を持っ
てそうしているのではありません。
もし、見習うべき天使が間違った行動をしても、『模倣人形』
はそのまま真似てしまいます。現に、ルシファー達のような、他
の天使達とは相容れない行動をする天使もいます。
以前にお話ししたように、唯一絶対なる『神』があり、彼が自分自
身を知るために、彼に似せた生命を創ったとしたなら、彼はその
ような、天使の『模倣人形』ができることを望むでしょうか。
それは、彼にとって、見ていて直ぐに飽きてしまうロボットに過
ぎません。ましてや、かつて自分が創造した天使達の言う通り
に動くのが『自分自身』だなどとは思いたくもないでしょう。
とすれば、ルシファーが現れたことも、或る意味で『神』の意思
だったと言うことができるでしょう。ただルシファー自身は、それが
『神』の意思だとは思っていないだけです。
ルシファーの影響のない世界は、一見すると、天使とともに歩
むような、素晴らしく光輝いた世界に見えます。しかし、ルシファ
ーの贈り物無しの我々は、ただ天使のマネをしているだけになる
のです。
この辺りは、現在の一部のスピリチュアリズムにも当てはまる部分
です。「私は天使から啓示を受けた。だからあなたは私の言うこ
と、行うことをそのまま実行しなさい」という例がよくあります。
しかし、カリスマ的なリーダーの一句―挙動をただ崇め、言葉
や行動をただマネているだけでは、単なる操り人形に過ぎず、
自分自身の魂の進化にはつながりません。
こうして我々は、退屈な『模倣人形』になることから逃れまし
た。続きは次回第177夜でお話しします。
( 追伸 )
中曽根君、君に限っては『不必要』だった
かも知れないね。
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