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夢見たものは

 立原道造を知ったのは高校二年生だった。
教科書にのっていたのはひとつの詩だったが、先生が熱心な人で立原のたくさんの詩をプリントして配ってくれた。

少し甘すぎるけれど、でも、心からの願いをこの詩に感じた。

夢みたものは……立原道造

夢みたものは ひとつの幸福
ねがつたものは ひとつの愛
山なみのあちらにも しづかな村がある
明るい日曜日の 青い空がある

日傘をさした 田舎の娘らが
着かざつて 唄をうたつてゐる
大きなまるい輪をかいて
田舎の娘らが 踊ををどつてゐる

告げて うたつてゐるのは
青い翼の一羽の小鳥
低い枝で うたつてゐる

夢みたものは ひとつの愛
ねがつたものは ひとつの幸福
それらはすべてここに ある と


新潮社 『日本詩人全集28』 優しき歌

あれから何十年もたち、ひ弱な高校生もおばさんになってしまった。
後ずさりも踏みとどまることもできないのだと思っていたのだろう。とにかくよたりながらも前に進んでいくのだと生きてきた。何かがほしい。何かになりたい。たい、たい、たい...渇望のようなものも夢のようなものもあったが、それよりも欲していたものがあったのだろう。

夢みたものは ひとつの愛
ねがつたものは ひとつの幸福

ひとりで生きていくと思っていたのに、頭では幸福な家庭などと全く思ってはなかったのに、どこかでそれを願っていたのだろう。心の片隅でこの詩-夢見たものは-はひそかに息をひそめながら、でもかすかなうたが心の底を流れていたのだ。

あれから何十年もたち、故郷も離れたが見知らぬ人ばかりの知り合いもいないこの地で、夢見たものとねがったものをやっと得た気がする。

願いも苦しみも悲しみも考えてみれば、時の壁に塗り込められてどこかに行ってしまった。
しかし...なにかがあった。何かを思った。それがあったから、夢見たのだ。願ったのだ...

なにを思ったのだろう。幼い時の自分を思い出す時が来たのだと思う。

はるか昔に置いてきたこと。忘れたことさえ忘れてしまったこと。それを取り戻したいと思っている。これはそれをたどる旅路なのだ。




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プロフィール

工芸美術をやっています。2017年からスペイン語の試験を受けています。が、ドンキホーテはいまだに完読できていません。握力は小学生よりない力なし。ひっそりとこのシャバの片隅でモーニングを食べている凡人です。

るんるうん

Author:るんるうん
またの名はクマネルです。ふしぎなことが好きです。着物も好きです。

たまに、魚を捌きます。猫におしっこをかけられたこともありますし、珍しい体験もあります。

たまに-クッテネル-が記事を書きます。そちらもよろしく。

いつのまにか歳をとりました。

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